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HOMEスキルアップマネジメント技術経営戦略考日本の人口減少とエネルギー需給

技術経営戦略考

日本の人口減少とエネルギー需給

  • 西村 吉雄=早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズム・コース
  • 2011/11/21 08:00
  • 2/6ページ

  これからの日本の人口減少は,しばらくは出生数減少より死亡数増加の効果が大きい。人口の多い世代が高齢化していくからである。団塊の世代が死亡年齢に達するころが,年々の人口減少数が最も多くなる。

  また出生数もしばらくは減少する。母親になり得る女性数が減るからである。これから25年ぐらいの間に,母親になり得る女性は,すでに生まれている。その数が減少することは,もうわかっている。その女性たち一人一人が多少多めに子供を生んだとしても,母親の人数が減っていくことによる出生数減少は抑えられない。

  この時期を通り過ぎると,様子が違ってくる。2040年を過ぎるころから,まず高齢化が止まる。団塊の世代がいなくなるからである。少子化対策がうまくいき,女性一人が生む子供の数が多くなれば,出生数増加が始まるかも知れない。そうなれば21世紀後半には,現在の予測よりは人口減少が緩やかになる可能性が,ないとは言えない。しかしその前,2030年代あたりに日本の危機がくる。

  2011年のいま,介護を受けている人の多くは「団塊の世代」の親の世代に属する。人口の多い団塊の世代が、はるかに人口の少ない自分たちの親の世代の介護を支えている。うまくいく構造である。これが2030年代になると,団塊の世代の人口大集団が介護を受ける側にまわる。それを支える世代の人口は,若くなるほど少ない。悲劇の構造だ。同じ悲劇が年金でも起こる。年金をもらう世代の人口は多くなり、年金を払う人口は減少の一途。この1930年代を、どう乗り切るか。

  人口減少は全国一様ではない。地方圏ほど急減する。首都圏人口は,それほど減らない(図2)。東北圏の人口は2050年には約40%減少する。同じ2050年に,全国の人口減少は26%である。これに対して,首都圏14%,東京圏は10%と減少幅が小さい。全体として人口が減少する過程で,東京・大阪・名古屋の都市圏に,人口は集中していく。

図2 圏域別人口の推移 国土交通省国土計画局「国土の長期展望に向けた検討の方向性について」(2010年12月17日)から 
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  以上の予測は,震災前の2010年のものだ。東北大震災と福島原発事故を経験した今後,東北圏の人口減少は加速するだろう。以前からの人口減少傾向に,避難の恒久化,放射能汚染を避けるための移住なども加わる。2050年人口が今の半分を下回る,あり得ないことではない。

  いわゆる過疎化も進む。限界集落や無人となる集落の増加もあり得る。町村単位での都市圏への移住なども考えられる。復興計画には,これらを意識せざるを得ない。

  これらの難問に比べれば,エネルギー問題は、はるかにマイナーである。後に見るように,エネルギー需要は確実に減少するからだ。

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