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デバイス技術を俯瞰する・Yoleレポート

LEDの好調に水を差す軟調な経済

  • Jean-Christophe Eloy=Yole Developpement
  • 2011/11/14 00:00
  • 1/1ページ

 LEDバックライト・テレビが急速に広まった後、世界的な経済不安によってLED関連の企業は統合を余儀なくされている。しかし、これを乗り切った企業は今後が期待されている一般照明の分野で、より多くの利益を上げることができるようになるだろうと仏Yole Developpement社のEric Vireyは予想する。

 「Take a haircut(髪を切れ)」。「Take a bath(風呂に入れ)」。厳しい経済情勢の中で企業が経験する状況に対して用いられる投資に関する俗語は、LED業界にぴったりだ。なぜならLED業界は「身なりを整えて成功を待っている」現在の低迷の反対側にあるものを明らかにしようとしているからだ。劇的に上昇していたLEDの大画面ディスプレイへの採用率の伸びが鈍化し、現在LEDメーカーは困難に直面している。しかしLED業界は、この困難を乗り越えるために必要とする合理化によって、一般照明の分野にさらに食い込むことができるようになるだろう。

 LEDメーカーがディスプレイ用バックライトへの関わりを認めるかどうかは別として、彼らはみな、LEDバックライトが大型液晶ディスプレイに突然広まったことによって多かれ少なかれ利益を得ている。2009年にSamsungのLEDバックライト・テレビが世界を驚かせ、ライバルたちは同様の技術を開発することになった。続いて発生した需要によって、サプライ・チェーンの様々なレベルで問題が発生した。つまり、LEDチップとそれを載せるサファイア基板、LEDの光を液晶ディスプレイ内で運ぶ導光部品に不足が生じることになった。多くの中国の新興LEDメーカーが市場になだれ込み、LEDの生産に必要なMOCVD反応器を大量に購入した。Yole Developpementの試算によれば、これによって現在の設備投資のサイクルが解消するのに12~24カ月かかる過剰な生産能力を抱えることになった。

生産能力増強の必要性
2012年1月から2015年12月までの期間に、LEDメーカーはMOCVD装置を増やして生産能力を2インチ・ウエハー換算(TIE)で540万枚増強する必要があるとYole Développementは予想する(図はYole Developpement)
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 2011年、世界における液晶テレビの売上げ台数は2億2000万台に達し、最大でその半数がLEDバックライトを搭載すると予測されていた。しかし、世界経済が低迷したため、テレビの売上げ予想は約2億台に下方修正された。同時に、蛍光ランプによるバックライトが大幅に値下げされる中、新品のLEDテレビを購入するために30~40%高い金額を払わせることは、これまで以上に難しいことのように思える。革新的なバックライトのデザインによって、テレビに使用されるLEDの量は、当初の予想よりも1/4から1/3少なくなるだろう。その結果、LED業界の成長は鈍化している。

 現在、価格低下圧力と低稼働率がLEDメーカーの利益を減少させている。しかし、より価格の安いLEDはさらに広い分野で採用されることになるだろう。一般照明に代表される広大な市場においては、それは重要な要素となる。日本では、2011年3月の地震と津波によって発生したエネルギー危機によって、LED電球の使用量は増加した。その必要に応じた対処は、世界の他の国々にも半導体照明の可能性を気づかせることになるだろう。

 一般照明市場の可能性、そして蛍光ライトがいずれ液晶テレビ用バックライトから完全に消えることを考えると、LEDメーカーは再び繁栄を取り戻すだろう。2011年のLEDパッケージ業界の収益は110億米ドル台になるとされているが、Yole Developpementはそれが2016年までに倍になると予想する。加えて、需要の加速を前提とした我々のシナリオでは、2012年の初めから2015年末までの期間に最低限必要とされるMOCVD反応器の生産能力の増強も予想している。それによれば、2インチ・ウエハー換算で一月あたり540万枚分の生産能力増強がこの期間に必要になる。業界における稼働率が平均で85%であることを考慮すると、この数字は実際には720万枚となる。

照明がLEDの需要に火をつける
将来的に、一般照明はLEDの用途の中で圧倒的な割合を占めることになる。(図はYole Developpement)
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 ただし、2011年の市場におけるすべてのプレイヤーが2016年まで生き残れるわけではない。強い価格低下圧力に加え、厳しい技術仕様を満たす製品を納品する必要性によって、すぐに弱者と強者が分かれるだろう。この「適者生存」のシナリオにおいては、世界有数の生産効率と技術を実現させることができる企業が有利になるとYole Developpementは予想する。そして、そういった企業はすでに強力なバランス・シートを持っている。これは驚くべきことかもしれないが、いくつかの中国企業はこの条件を満たすだろう。しかし、彼らの国籍がどうであれ、生き残った企業は市場を支配できる強力なリーダーとなるだろう。

 Yole Developpementは「Status of the LED Industry(LED業界の状況)」と「LED Manufacturing Technologies(LEDの製造技術)」という2種類のレポートの最新版を2012年に発行する予定だ。

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