我が家に日産自動車の電気自動車(EV)「LEAF」が届いた日(関連NEブログ)から、もう3カ月以上がたちました。自宅に240Vの充電装置も導入し、ほとんど毎日LEAFを充電しています。業界や政府は今、少しでもEVの走行距離を伸ばすために、EV向けの公共充電装置をもっと設置しようと動き始めています。特に私が住むサンフランシスコ湾周辺では環境問題に関心の高い人たちが多いこともあり、今後、より多くの公共充電装置が導入されるだろうとよく言われています。ただ、これまで私は公共充電装置を使ったことがありません。それは、なぜか…。

 まず、私自身がLEAFに乗り慣れてきて、あとどのくらい走れるのか、だいぶ分かってきたからです。毎日乗っていると残りの走行距離が感覚的に分かり、ほぼ自分が予想した通りになることが多いです。

 しかし、LEAFが走れる距離以上の目的地に行こうとする場合、公共充電装置を見つけるのは簡単ではないことも分かってしまいました。LEAF向けのカーナビやWebアプリケーションでは公共充電装置の設置箇所に関するデータを公開していますが、私の今までの経験からすると、ここに記録されている充電装置の数は自分が把握している数よりも少ないと思います。

 充電装置メーカーの米Coulumb Technologies社では「ChargePoint Network」と呼ぶ、公共充電装置を通信で接続しているネットワークを管理・運営しており、これらの公共充電装置の設置箇所をWeb上で公開しています。このChargePoint NetworkとLEAF向けデータベースに登録されている充電装置の数を比べると、前者のほうが多かったです。ただ、最近、LEAF関連のオンライン掲示板で公開された情報によると、米Nissan North America社が運営する充電装置のデータベースとChargePoint Networkのデータベースが統合されたようです。

 とはいうものの、ChargePoint Networkのデータが正確ではないことも分かりました。先日、サンフランシスコ空港に行こうと思い、空港周辺で自分が駐車する予定の駐車場に公用充電装置が設置されているかどうかを調べました。充電装置が表示されなかったので、EVではなく、我が家にあるガソリン・エンジン車で行きました。ところで、なんと2台分の公共充電装置付き駐車スペースがあったのです。そこでLEAFを充電する人を見掛けたので、「どうして、ここに充電装置があると分かったのですか?」と聞いてみました。その人は、空港に電話して確認したそうです。

 また、別の日、あるイベントに参加するためにLEAFの走行可能距離を越えてサンフランシスコ市に行くことがありました。事前にChargePoint Networkで調べたところ、イベントが開催される場所の近くに充電装置があることが分かりました。でも、たった1台でした。ChargePoint Networkでは公共充電装置を予約することができますが、この充電装置は対応外でした。その充電装置以外でイベント会場から最も近い充電装置は、そこから約6kmも離れています。もしEVで出掛けてイベント会場近くの充電装置が使われていたら、電池切れになる可能性が考えられたので、結局、ガソリン・エンジン車で行く羽目になりました。

 こんなこともありました。あるイベントを開催した企業の顧客向け駐車場で、ChargePoint Networkに登録されている2台の充電装置があったので、駐車することにしました。ChargePoint Networkの充電装置を利用するためには専用ICカードを充電装置に読ませる必要があるのですが、こんなメッセージが表示されました。「あなたは、この装置を利用する権利がありません」。仕方ないので、一般駐車場にLEAFを停めました。受付で聞いてみたところ、「もし充電装置を使いたいのであれば、準備しますよ」とのこと。それならそうと、きちんと告知してくれればいいのに…と感じました。ただ、そのときはLEAFの電池に十分な残存容量があったし、駐車し直すのは面倒だったので、充電装置付き駐車スペースを使うのを断りました。

 また別の時に、ある企業の駐車場で充電装置が導入されていることが分かったのですが、広大な駐車場のどこに充電装置があるのか分からなかったので、この際も充電するのをあきらめました。

 今後、公共充電装置の設置数は徐々に増えると思います。それはうれしいのですが、しばらくの間、LEAFの走行可能距離を越えて目的地に行く場合には、私はガソリン・エンジン車を使う予定です。