東日本大震災の被災者およびその関係者の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。また被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

 目下の業界の関心事は、言うまでもなく今回の震災により、FPDサプライチェーンへのインパクトの規模、期間である。われわれが緊急調査した限り、大型液晶パネルについては、今のところそれらの影響は価格の推移には表れてきていない。

 2011年3月の大型液晶パネル価格は、ノート・パソコン用パネルでは引き続き弱い需要を背景に、前月比ステイ(価格変動なし)となったもようだ。モニタ用パネルについては、1月から2月にかけて出荷を絞り込んだ反動で一時的にタイト感が強まり、18.5型や20型を中心に前月比ステイ~3%の値上げで決着したもようである(図1)。一方、テレビ用パネルでは、ノート・パソコン用と同様に需要の弱さを背景に価格下落が継続した。CCFL(冷陰極管)バックライト搭載パネルとLEDバックライト搭載パネルのいずれも、同1~3%の下落となった(図2)。

図1 IT用液晶パネル価格推移(4月以降は予測)
出典: ディスプレイサーチ,「月刊 大型LCD&PDP価格調査レポート」
[画像のクリックで拡大表示]

図2 32型テレビ用液晶パネル価格推移(4月以降は予測)
出典: ディスプレイサーチ,「月刊 大型LCD&PDP価格調査レポート」
[画像のクリックで拡大表示]

 4月上旬の価格交渉では、パネル・メーカー側、顧客側とも、震災の影響を見極めようと、今のところ「様子見」の状況が継続している。価格に動きが出るのは4月後半以降になる見込みだ。