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デバイス技術を俯瞰する・Yoleレポート

MEMS慣性測定ユニットは軍事・航空宇宙分野を超えて広まる

  • Jean-Christophe Eloy=Yole Developpement
  • 2011/03/24 00:00
  • 1/2ページ

 MEMSの慣性測定ユニット(IMU:inertial measurement units)は、精密誘導兵器に使用されていたり、衛星を軌道に乗せるのに役立っていたりなどの用途が良く知られている。しかし今やIMUは、そういった軍事・宇宙分野での高度な利用だけに限定されず、健康管理や輸送、家庭用電化製品、海洋掘削といった、もっと身近な分野にも応用され始めている。

 IMUは、物体の動きを多軸検出できる集積度の高いデバイスで、動きの種類(加速、傾き、衝突、振動、回転)や速度、方向を検出できる。またIMUは、加速度計やジャイロスコープの機能を持った慣性感知デバイスを複数利用し、それらのデバイスから得たデータを基に、複雑な用途における多自由度運動を一つのユニットで計測できる。

 IMUは、軍事・航空宇宙分野ではすでに用途が確立していて、ナビゲーションや航空管制、そして(機体などの)安定化に長年にわたって利用されている。コストの低下や機能の充実によって、IMUの市場は現在の16億ドルから2015年には25億ドルにまで成長することが期待されている。そして、IMU市場の成長はMEMSデバイスにも大きな影響を与えることになる。現在MEMSデバイスは高性能なIMUの15%に利用されていて、この数字は今後5年間で50%にまで達すると予想されている。この市場は、米Honeywell International Inc.が40%の世界シェアを持ってリードしているのが現状だ。

 すでに、IMUと高性能なMEMS慣性センシングを利用した26以上の高度な、また様々な種類の応用が存在している(図1)。こういった応用の多くは、軍事・航空宇宙といった伝統的な分野に関連したものである。たとえば、自衛艦、輸送機、誘導兵器、軍用潜水艦、核ミサイル、ビジネスジェット、衛星、宇宙船、ロケットなどが挙げられる。また、新たな応用分野としては、農業、貨物輸送船、健康管理、高速列車、傾斜計、石油採掘用ドリル、遠隔操作探査機(ROV)、無人陸上車両(UGV)、衛星通信用アンテナの安定化、光学系の安定化、探査器、振動モニタリングなどがある。

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 最も速く成長している分野の一つは、カーエレクトロニクスや家庭用電化製品といったコストがそれほど高くない“中位”の応用分野である。最近のMEMS加速度計やMEMSジャイロスコープの技術の進歩により、デバイス・メーカーはMEMS IMUや“コンボ・センサー”の提供に素早く対応してきている。機能性を向上させることで、より多くの価値をデバイスに付加するためである。また彼らは、市場で商品を差異化するために、独自の付加価値を生み出すことに躍起になっている。つまり、どのメーカーがそれぞれの分野において最良の、また最も多く採用される製品を生み出し、市場シェアをリードするかという競争が、デバイス・メーカーの間ですでに始まっている。死闘を繰り広げている企業の内、オーストリアSensorDynamics AGは自動車と家庭用電化製品の両分野をターゲットにしており、ドイツBosch社とフィンランドVTI Technologies Oyは自動車分野に狙いを定め、米Invensense社と米Kionix,Inc.は家庭用電化製品に焦点を合わせている。

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