趣旨
やりつくした感が漂う省エネ活動。しかし、昨今の製造業は、CSRの観点、エネルギーコスト高騰による利益圧迫という側面、さらには、事業の継続性(サスティナビリティ)を考慮すると、これから、より一層省エネ対応を推し進める必要がある。一方、各社、エネルギー効率を上げる為の装置やシステム導入による見える化など一通りの設備投資は行っていて、一定の成果は得られている。エネルギー効率が高くムダの無い生産技術は、本来、日本の製造業のお家芸だ。現在の製造業にとって、国内で固めたノウハウを盛り込んだ生産技術を海外の工場に展開し、品質の高いモノづくりを実現していくことが、グローバル競争力の鍵を握っているといっても過言ではない。
それでは、改善先進国日本のモノづくり現場ではエネルギーのムダ削減、省エネ対応が、本当に、完璧にできているのだろうか? 答えはNO。実際の現場では最新設備の使い方にムダがあったり、やりつくしたといわれる現場で信じられないムダが目の前にあったりと、摩訶不思議なムダが沢山散らばっている。こういうムダを、気づきの技術で丁寧に省いていくことで、「乾いた雑巾を絞っても出てこない!」と揶揄さえされているコストが下がることがある。新たな設備投資なしでエネルギー効率を上げることも出来る。
本コラムでは、ものづくり現場におけるエネルギー効率とコスト削減専門のコンサルタントで構成された「省エネ特捜部」が、日本全国、時にはアジアで気づいたエネルギー効率のムダ(事件)を、現場と一緒に正していく。本コラムが強いては、日本の製造業のサスティナビリティの一助になることを目指したい。
田 直昭(まえだ・なおあき)
積水化学工業株式会社
生産力革新センター モノづくり革新セン
環境プラントメーカーにてプロジェクトマネジメント業務やソリューション提案から施工管理までの実務を担当。その後ジェムコ日本経営に参画。大手製造業を対象に、製造条件研究、機能研究及びプロセス改善などの視点から、省エネルギー生産改善・仕組み強化や人材育成等を担当し、現在は積水化学工業にてモノづくり革新を担当。「気づき」を特徴とした環境学習プログラムを企業や地域に提供するNPO「環境応援団いっぽ」代表でもある。