約30年にわたりTFT液晶パネルの研究開発に携わってきた経験から,フラットパネル・ディスプレイ(FPD)分野を中心に,今話題の最新デバイス技術に対して鋭く斬り込む。
久保翼のデバイス時評
約30年にわたりTFT液晶パネルの研究開発に携わってきた経験から,フラットパネル・ディスプレイ(FPD)分野を中心に,今話題の最新デバイス技術に対して鋭く斬り込む。
目次
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酸化物半導体、半導体エネルギー研究所の“目の付けどころはシャープ”か?
FPD業界に身をおく筆者は,半導体材料やTFT技術に大いに関心を持っている。特にここ数年の透明アモルファス酸化物半導体材料(TAOS:transparent amorphous oxide semiconductors)とそのTFT技術の進展には目を見張るものがある。ディスプレイ関連で最大の学会「…
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暗い映像の3Dテレビは“省エネ”に逆行する製品か?(後編)
前編では,3次元(3D)テレビでは映像が暗くなることについて,シャープの講演や韓国LG Display Co., Ltd.の展示などの事例に基づいて,できる限り定量的に議論した。これを踏まえて,後編では,本題であるテレビの省エネと3Dテレビについて議論していく。
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暗い映像の3Dテレビは“省エネ”に逆行する製品か?(前編)
パナソニック,ソニーに続いてシャープが3次元(3D)テレビを発売した。3社を追って8月には東芝も3Dテレビを発売するという2010年を“3Dテレビ元年”と称して,テレビ・メーカーは2次元(2D)に続く“柳の下のドジョウ”を3Dテレビと位置付けているらしい。そこで,この3Dテレビを取り上げ,前回のコ…
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FPDテレビの「省エネラベル」,年間消費電力量の算出基準は適切か?
4年に一度のサーカーの祭典「ワールドカップ」の南アフリカ大会が始まった。E組の日本チームは,苦戦必至の下馬評を覆して,初戦のカメルーンに1対0で辛勝した。オランダ戦では惜敗したが,25日のデンマーク戦の勝敗によっては決勝トーナメント出場も夢ではない。
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電子ブック9.7型Kindle DXの行く末は?
そして10.1型ネットブック,9.7型iPad――ひと声5万円,どれを選ぶ?
FPD業界に身を置く筆者は,最新技術が発表される国際学会やシンポジウムに参加し,聴講することを楽しみにしている。今年も恒例のSID 2010シンポジウムが5月25~28日にかけて米国ワシントン州のシアトル市で開催される。発表される論文の数は500件前後と,この数年間は大きな変化はない。
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「ほとんど変わらずでは,変わらない!」――TAOS 2010に見る酸化物半導体
“透明アモルファス酸化物半導体TFTとディスプレイ応用”と銘打って,国際会議「International Workshop on Transparent Amorphous Oxide Semiconductors(TAOS 2010)」が1月25~26日にかけて東京工業大学すずかけ台キャンパスで…