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コラム

IMECが開発するSiナノワイヤー太陽電池,量子効果を利用して変換効率30%超へ

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2009/11/16 08:30
河合 基伸=日経マイクロデバイス
IMECが目指すSiナノワイヤー太陽電池(IMECのデータ)
IMECが目指すSiナノワイヤー太陽電池(IMECのデータ)
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最新の開発状況(IMECのデータ)
最新の開発状況(IMECのデータ)
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 次々世代の太陽電池に向けて,さまざまなアイデアが太陽電池分野に集まりつつある。その一つが,基板上に細いワイヤー状のSi(Siナノワイヤー)を並べるアイデアである。米General Electric Co.を含めて,世界各地で開発が進んでいる。

 開発者の多くは,ワイヤー状にすることでSiの使用量を減らして低コスト化したり,生い茂るSiナノワイヤーによって光の反射を減らすことを主な目的としている。

 これに対してベルギーIMECは,Siナノワイヤーによる量子効果の活用を狙う。IMECが2009年11月9日に東京で開催した「IMEC Executive Seminar」で,Program Director PhotovoltaicsのJef Poortmans氏が,Siナノワイヤー太陽電池の現在の開発状況を明らかにした。

 IMECが目指すのは,Si基板上にSiナノワイヤーを形成した太陽電池である。Si基板のバンドギャップが1.1eVに対して,量子効果を活用したSiナノワイヤーは同1.7〜1.8eVになる。バンドギャップの異なるSi基板とSiナノワイヤーを組み合わせれば,高効率化が期待できる。Poortmans氏によると「実現すれば変換効率は約33%になる」という。

 現在IMECは,太陽電池に適したSiナノワイヤーの試作を試みている。バンドギャップ1.7〜1.8eVを目指す場合,Siナノワイヤーの直径は2〜4nmまで細くする必要がある。この極めて細いSiナノワイヤーを形成するためにIMECは,次世代半導体の製造に向けて開発が進むEUV露光を活用した。

 ただし,EUV露光とエッチングを使っても,直径が40〜65nmのSiナノワイヤーしか形成できなかった。そのため,直径40〜65nmのSiナノワイヤーを酸化した後,HFガスで酸化部分を除去してさらに細くした。この手法によって,現時点で直径8〜25nm程度のSiナノワイヤーを得ている。そのほかの目標であるSiナノワイヤーのピッチ(90nm)と長さ(500nm)は,EUV露光とエッチングの時点で実現できた。

 今後は,EUV露光とエッチングで直径30nmとし,続く酸化とHFガスで直径3nmまで細くする。太陽電池に適した直径3nmのSiナノワイヤーを得られれば,太陽電池としての特性の確認に進むことになる。

 量子効果を利用したSiナノワイヤーの実現には,ワイヤーの微細化のほかに,EUV露光に代わる安価な製造方法の開発も欠かせない。次々世代の太陽電池の実現に向けて,さらなる技術革新が求められている。

日経マイクロデバイスでは,効率40%超を目指した革新技術が集まる「超高効率太陽電池フォーラム 2009(12/16)」を開催します。

また,基礎から学びたい方に向けて,太陽電池入門セミナー「結晶Siから量子まで,基礎から理解する太陽電池(12/11)」を開催します。

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