中国大型設備投資への序曲を奏でるシャープ

 シャープによる中国Nanjing CEC-PANDA LCD Technology Co., Ltd.(南京中電熊猫液晶顕示科技有限公司)への液晶パネル生産設備の移設が8月31日付で決定した。発表によれば,月産6万シート分の移設と新規2万シート分の後日の追加投資が計画され,中国China Electronics Corp.(中国電子信息産業集団有限公司)による第8世代ライン投資への包括合意も含まれている。

 中国南京市にとって,第6世代の中古ライン購入は来るべき第8世代導入への過程に過ぎない。より深い意味を内に秘めた南京市政府の強い思惑が込められていると受け取るべきである。

中国の本音は第8世代以上

 中国で液晶パネル事業を展開するBOE Technology Group Co., Ltd.(京東方科技集団有限公司)は,北京市で第8世代ラインの着工式を開催した。基板サイズは2200mm×2500mmで,月産9万シートの生産能力,2011年の第3四半期には量産を開始する目標である。第6世代ラインで蓄積した製造技術のノウハウがあることから,この大型投資の発表はいくらかの現実味を帯びている。

 昆山市では,第8世代ライン建設の着工式が行われた。昆山市政府関係者らを中心として,中国Konka Group Co.,Ltd.(康佳集団),台湾Compal Electronics, Inc.(仁寶電脳工業有限公司),台湾Wistron Corp.(緯創集団公司)などからの来賓が参加した。生産能力はBOEの第8世代ラインと同じ月産9万シート,時期も同じく2011年の量産開始を計画している。

 さらに,佛山市でも,同じく第8世代ライン建設を目標とする計画が見え隠れしており,工場設置前の調査段階にある,地域環境調査報告の公告を発表するなど,内外へ投資意欲を示している。