図1●日本メーカーの太陽電池のタイプ別出荷量の推移(2004年度第1四半期〜2009年度第1四半期実績)。出所:太陽光発電協会(JPEA),(2009年8月)。
図1●日本メーカーの太陽電池のタイプ別出荷量の推移(2004年度第1四半期〜2009年度第1四半期実績)。出所:太陽光発電協会(JPEA),(2009年8月)。
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図2●日本メーカーの太陽電池の仕向け地別出荷量の推移(2004年度第1四半期〜2009年度第1四半期実績)。出所:太陽光発電協会(JPEA),(2009年8月)。
図2●日本メーカーの太陽電池の仕向け地別出荷量の推移(2004年度第1四半期〜2009年度第1四半期実績)。出所:太陽光発電協会(JPEA),(2009年8月)。
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図3●日本メーカーの太陽電池の国内向け用途別出荷量の推移(2004年度第1四半期〜2009年度第1四半期実績)。出所:太陽光発電協会(JPEA),(2009年8月)。
図3●日本メーカーの太陽電池の国内向け用途別出荷量の推移(2004年度第1四半期〜2009年度第1四半期実績)。出所:太陽光発電協会(JPEA),(2009年8月)。
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 太陽光発電協会(JPEA)によると,2009年度第1四半期(2009年4月~6月)の国内太陽電池メーカーの出荷量は発電力換算で,対前年度同期比9.9%増,対前期比16.5%増の284.632MWだった(図1)。世界的な需要後退で2008年度第4四半期に大幅に落ち込んだが,わずか1四半期でV字回復した。ただし,多くの国内太陽電池メーカーは2008年後半に発注したガラス基板などの部品在庫を2009年度第1四半期中に完全には処理できておらず,部品メーカーへの発注再開には時間がかかっている。

薄膜シリコン型が全体の約12%に

 タイプ別に見ると,多結晶シリコン型が最も多く,全体の52.5%を占める149.384MWだった。単結晶シリコン型は97.711MW,薄膜シリコン型は33.568MWだった。薄膜シリコン型は,シリコンの使用量が少ないことでコストが抑えられると注目を集めてきた。日本メーカーの出荷量に占める比率は,2006年度まで5~6%だったが,2009年度第1四半期は11.8%に達した。多結晶シリコンの価格が下がり,薄膜シリコン型の利点は薄れているが,まだ比率は上がりそうだ。

国内向けは4四半期連続で増加

 仕向け地別では,海外向けが対前期比17.8%増の201.372MW,国内向けが同13.6%増の83.260MWだった(図2)。2008年秋に始まった景気後退による需要の減少で,2008年度第4四半期に海外向けが対前期比30.9%減と大きく落ち込んだが,大幅に回復した。一方,国内需要は世界不況の影響を感じさせず,2008年度第4四半期でも対前期比12.0%増と好調だった。

 国内向けを用途別に見ると,2009年度第1四半期に住宅用が対前期比39.1%増,対前年度同期比では77.3%増の76.972MWだった(図3)。これは国内向け全体の92.4%を占めた。国内向けは4四半期連続で増加しており,その原動力は住宅用だ。太陽電池設置に対する補助金の申請受付が2009年4月から開始されたことに加えて,2009年11月に導入される日本版フィードイン・タリフ(固定価格買取)制度を前提に太陽電池を設置する家庭が増えている。落ち込んでいる建築着工数の取り合いの中で,ハウス・メーカーが太陽電池をセールス・ポイントにしていることも,太陽電池需要を押し上げている。