インドの薄型テレビは2011年以降に本格普及開始

 このたびわれわれが発刊した,新興注目国「インド」におけるテレビ市場の各種分析データを掲載した特別調査レポート(詳細内容はこちらから)によると,インド市場の2008年の全テレビ出荷台数(実績値)は1271万台である。このうちCRTテレビが依然として94%を占めており,世界で薄型テレビへの移行が最も遅れている地域ということができよう。

 2009年のインドでの薄型テレビ比率は11%を見込むが,これはアジア全体(30%超)と比較しても低い水準にとどまる。今後はテレビ・セット価格やパネル価格の下落により,2011~12年に薄型テレビの本格普及期を迎えるだろう。われわれは直近の価格予想で,2012年末までに32型液晶テレビの平均価格が299米ドル水準へと下落するとしている。この価格は新興国でのマジック・プライスと考えている。これを受けてインド市場においても薄型テレビへの本格移行が開始,2013年にはインドでの薄型テレビ比率が76%,アジア太平洋地域における薄型テレビ市場のインドのシェアも30%超へ拡大する見通しである。

図1 インドにおけるテレビ市場(技術別)および薄型テレビ比率予測
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韓国2社のシェアは50%超,日本ブランドの前に大きく立ちはだかる

 インド市場では,CRTテレビの時代から,Samsung Electronics Co., Ltd.とLG Electronics Inc.の両雄がしのぎを削る韓国がトップ・シェアを占めている。両社とも今はまだCRTテレビを中心にインド市場で生産・販売しており,コスト競争力を強みとする。その上で,薄型テレビにおいても両社でシェア50%超とトップの地位を占めている。