COLLEGE 製造業の“本当”を探求
 
和田木 哲哉=野村證券 金融経済研究所
2009/09/17 21:45
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9月7日付コラムから続く)

 なぜ,マルチまがい商法が蔓延するのか――。

 この世界には希望と夢があふれていると思う私である。であるから,キャリアとか仕事に関する理想論はいくらでも書けるのだが,現実に存在する職場環境の影の部分にも敢えて触れたい。

 私の今いる証券業界は恵まれていると思う。逆説的な言い方だが,若手が大真面目に「努力しているのに報われないのはおかしい!」と怒っているのだから。現実には,頑張っても報われる望みが見えず,仕事もストレスがたまるばかりで,自分の将来に明るい展望が開けない仕事や部門も多々ある。塗炭の苦しみを味わっていたかつての同僚達を思い出し,私は逆に,その若手の苦労知らずぶりに腹が立ってしまった。

 出世コースから外れ,安定志向,私生活重視で仕事はそこそこ的な人生観のマネジメント層も少なくない。彼らからすると,ヤル気があって,バリバリ努力している若手は目ざわり極まりない存在だったりする。努力して報われるどころか,不条理な反感を買い,激務,新しい仕事の成果,自己研鑽への取り組みが逆に悪く言われる。こういう組織の中だと,どう頑張っても報われない。泥の中で足掻いているようなものである。先への希望も持てなくなってしまう。

 私の書いたことが実体験として分からない人もいるかも知れない。体験しないに越したことはない。このまま頑張ってほしい。

 この記事だが,決して,ひねくれて極論を書いているわけではない。半導体製造装置業界の大手企業で,マルチまがい商法に走った若手が数多くいた。この事実こそ,「オレの人生,こんなものか」と追い詰められた若者達がたくさんいたことの雄弁な証拠である。仕事にやりがいを感じている若者には,副業に使う無駄な時間はどこにもないのだ。活気と希望がある職場に,マルチが入りこむ余地はない。

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