図1●台湾液晶パネル・メーカーの大型液晶パネルの出荷枚数の推移(2008年1月〜2009年6月実績)。出所:大和総研香港,(2009年7月)。
図1●台湾液晶パネル・メーカーの大型液晶パネルの出荷枚数の推移(2008年1月〜2009年6月実績)。出所:大和総研香港,(2009年7月)。
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 台湾大手4社の2009年6月の大型液晶パネル出荷枚数は,対前月比7%増の1730万枚だった。農村部における家電販売促進策「家電下郷」と都市部における買い替え促進策「以旧換新」の二つの相次ぐ中国の内需振興策を受けて,中国のテレビ・メーカーは積極的に液晶パネル調達量を増やしているようだ。

 需要増に伴い液晶パネル価格の上昇も続いている。7月前半はモニターやノート型パソコン用で6~8%増,テレビ用も32型については8%増と値上がりした。8月も値上がりは続く見通しだ。テレビ用32型液晶パネルが底値から3割上昇しているほどで,テレビ・メーカーがこれ以上の値上げには難色を示すことが予想され,例年10月には出荷が落ち始めることを考慮すると,9月に入れば値上げは収まる可能性が高い。

大手2社とも2Qの出荷は計画を大きく上回る

 6月の台湾AU Optronics社の大型液晶パネル(10型以上)の出荷数量は778万枚で対前月比微増にとどまった。伸び悩んだ背景には,ガラス基板の不足がある。しかし,第2四半期は当初計画を大きく上回った。出荷数量は対前四半期比70%増の2241万枚,4月下旬に同社が公表した同50%増を20ポイントも上回った。

 台湾Chi Mei Optoelectronics社の6月の大型液晶パネル出荷数量は,対前月比13%増の718万枚だった。中国テレビ・メーカー向けに26型と32型の液晶パネルが伸びているようだ。第2四半期の出荷数量は対前四半期比44%増。同社の計画は同25~30%増だったから,AU Optronics社と同様に計画を大幅に上回った。