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HOMEスキルアップマネジメントイノベーターひとづくり考 > リチウムイオン2次電池の能力を最大限引き出します

イノベーターひとづくり考

リチウムイオン2次電池の能力を最大限引き出します

エナックス 代表取締役 小沢和典氏

  • 丸山正明=日経BPプロデューサー
  • 2009/07/15 10:30
  • 1/4ページ
小沢和典氏
ラミネート・シート・バッテリー(LSB)パックを手にした小沢和典氏

 最近、車載用のリチウムイオン2次電池が注目されている。電気自動車が量産され始めると、リチウムイオン2次電池が電気自動車の車両コストや航続距離を左右する重要なカギとなるからだ。この“カギ”の使い方によっては世界の自動車メーカーのシェアが変わる可能性が高いとうわさされている。
 リチウムイオン2次電池は、日本企業が世界に先駆けて製品化し事業化にも成功し、国際市場で強い競争力を持つ製品に育て上げた。リチウムイオン2次電池のおかげで、日本の電機メーカーの携帯電話機やノート型パソコンは小型・軽量化を実現し、高性能化を達成してきた。リチウムイオン2次電池は、それまで2次電池を手がけていなかったソニー(ソニー・エナジー・テック)が1990年に製品化し、1992年に自社のビデオカメラ「CCD-TR1」に採用してビデオカメラを小型・軽量化し、その製品競争力を大幅に高めた。ソニーの成功物語の代表格になっているリチウムイオン2次電池を事業化した中核メンバーの一人だった小沢和典氏は、ソニーのリストラ時の希望退職に自ら応じて1996年に退社し、ベンチャー企業のエナックス(東京都文京区)を創業した。自分の意志決定で事業内容を決断できるところが気に入っているようだ。
 小沢氏は創業に当たって3原則を設けた。「ソニーと同じ技術・材料は使わない。ソニーの人材は引き抜かない。ソニーとは取引しない」の3つだ。ソニーの研究開発資源や人脈などを利用しなくても、独創的な研究開発と事業化はできるとの意気込みを示したものだ。逆にソニーの技術と一線を画さないと、独創技術が生まれないことを知っていたともいえる。ベンチャー企業を創業した小沢氏に起業する楽しさを聞いた。

 2009年1月、ソニーは平成21年(2009年)3月期の連結営業損益(米国会計基準)が赤字に陥る見通しになったと発表した。急激な円高や液晶テレビ事業の不振などが赤字転落の主な原因だ。この結果、国内3拠点と国外2拠点の閉鎖や事業譲渡を行うリストラを断行し始めた。

 ソニーの営業赤字転落は平成7年(1995年)3月期以来14年ぶりのことだ。赤字を出した1995年は4月に大賀典雄氏が代表取締役会長(CEO)に、出井伸之氏が代表取締役社長(COO)に就任し、カンパニー制を強化し経営機構改革を進めていたころだ。米国の映画事業で発生した一時的な損失出しが営業赤字の原因だった。この結果、ソニーはリストラを実施し、希望退職者を募った。

 当時、ソニーバッテリー事業本部統括部長を務めていた小沢社長は、希望退職者を募る立場の管理職だった。部下に希望退職を募るのならば、自分も辞めるしかないと考え、そのまま実行した。実は「あまり深く考えずに退職したのが本当のところ」と笑う。

 当時を知るソニーの関係者は「ソニーの経営陣はリチウムイオン2次電池の用途をビデオカメラやノート型パソコン、携帯電話機などの電機製品向けに集中させると判断した。これに対して、小沢氏は自動車向けなどの移動体も有望な市場と考え始めていたが、経営陣は自動車向け用途をソニーの対象市場ではないとした」という。「小沢氏が退社した動機は、将来の有望用途に対する見解の違いとみている」と、ソニーの関係者は語る。

 研究開発案件の将来の有望用途を巡る見解の違いは、事業の選択と集中を強める現在、ますます多くなっている。特に、研究開発テーマの絞り込みを強化した今年は、経営陣と見解が異なる研究開発リーダーが増えていると想像される。

 小沢社長はソニーを辞めた翌日に、エナックスを設立した。エナックスという社名は、これからは「エネルギー」「情報」「物流」が日本にとって重要になると考え、「energyとaccelerationという単語から発想して決めた」という。興味深いのは、自分の研究開発と事業戦略の能力を信じていたために、すぐに会社組織をつくったことだ。コンサルタントなどの個人事業主としてではなく、会社組織にして結果的に独自のリチウムイオン2次電池事業を目指した。創業時は社長一人の会社で「広いオフィスにポツンと一人で座っていた」と笑う。

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