成功している人たちの共通点の一つに「オンとオフをしっかり切り替えている」が挙げられます。つまり,仕事の時は徹底して仕事だけに集中するが,仕事が終わったら趣味やスポーツなど仕事以外のことに意識を向けているのです。なぜこのことが重要かというと,オンよりもむしろオフの過ごし方が,人の将来を左右するという側面があるからです。

静寂の時を持つ

 とはいえ,現在仕事漬けの人がオフを有意義に過ごせるようになるには,それなりの意識改革が必要になりそうです。そこで,まず朝の出勤前に10分だけ「静寂の時」を持つことから始めてみましょう。私は,自宅でも出張先でもどこにいても朝の10分を特に大切にしています。コーヒーを入れると,カップから湯気が緩やかに立ち上るとともに,とても良い香りが部屋に漂います。口に含んだ瞬間から舌に広がるまろやかな味。この10分間だけは何も考えずにただただコーヒーを楽しんでいます。この10分間は私にとって至福の時なのです。

 皆さんにもそれぞれ至福の時と感じられる過ごし方があるはずです。こうした時間を意識的に確保することで,徐々にオンとオフの切り替えができるようになるのです。まずは,皆さんにとっての「静寂の時」を紙に書き出してみましょう。

オフの過ごし方を見直す

 1日の仕事を終えて夜のオフタイム,あなたはどう過ごしていますか。これも紙に書き出してみましょう。意外と自分が思っているほど有意義に過ごせていないことが多いようです。ほかの人とも比べてみて,改善できるところを探します。

休日の過ごし方を考える

 今度は少し目先を変えて,もし休日にまとまった時間があったら何をしてみたいかということを紙に書き出してみます。それを実現するには,オンやオフの時間をどう使えばよいか,考えてみましょう。