■シーン別の分類

(1)下着:パンツ、ブラなど
下着類は最も大量にヒットするカテゴリーです。女性のランジェリー系が主体で、まさに「今夜はもしかしたら××かも」という時のための装備。セクシー系やカワイイ系の魅せるデザインを訴求しています。

(2)衣装:スーツ、ネクタイなど
同じ衣類でも外側に露出するこちらのカテゴリーはスーツやネクタイなど男性向けの戦いの装束が多くなります。プレゼンなど大事なイベントに向けて、気合の入った鎧兜のような扱いのようです。

(3)アクセサリー:メガネやピアス類
衣装と同じような目的で使われていますが、勝負度は低目のカテゴリー。

(4)足元:靴、シューズ類
靴関係も衣装と似た感じの扱いですが、ランニングシューズなど運動競技系での勝負に用いるレーシングシューズが混在してきます。デザインよりは技術性重視の分野です。

(5)化粧:ネイルやメイクなど
こちらは下着類と同じ趣旨。大事な本番で男性を魅了する性能を競います。

(6)モノ系道具:携帯やカメラ類
携帯や腕時計などハイテクが直接貢献する分野がようやく登場です。冒頭の勝負ケータイのように、スタイリッシュで高性能な逸品。ジェームス・ボンドが持っていそうな男の子向けの多機能アイテムです。

 時が時なら、勝負アイテムと言えば、先祖伝来の槍や刀など本当の戦に用いる道具、つまり武具のことを指したのでしょう、しかしそこは天下泰平なご時世です。大事な勝負事の筆頭は下ネタ系なんですね。ずばり生殖活動用です。考えてみれば、戦争だって浅はかな男どもが女性争奪をする表現形のなれの果てなわけですから、分かりやすく目的直結型の方が健全かもしれません。

 しかも、勝負しているのは大半が女性のようです。気合い入れた化粧をして、勝負ジュエリーやランジェリーを身にまとい、その上には勝負服を着込んで、勝負靴まで履いて。備えよ常に、常在戦場、日々怠りなく準備万端のようです。「くのいち」みたいに外を歩く時も、万が一脱ぐ時も、毎日が気の抜けない勝負なんですね。

 戦いの力学も、軍事から経済戦争に移行しました。戦場で兵士たちが頼りにしていた兜や刀は、ビジネススーツや腕時計、パソコンなど企業戦士の仕事場に携行する道具に形を変えています。とは言え、ヒット件数からみてもやはり女性の臨戦態勢の充実度に比べると見劣りすると言わざるを得ないようです。

 次に、見方を変えて、勝負道具類に求められる機能について考えてみましょう。その機能がどのような動作原理に支えられているかという視点からみると、概ね4種類に分類されます。