図1●国内のデジタル家電世帯普及率の推移(2003年3月〜2009年3月調査)。主要デジタル家電と乗用車を取り上げた。「カラー・テレビ」は「薄型テレビ」か「CRTテレビ」のどちらかを所有する世帯である。出所:内閣府経済社会総合研究所,「消費動向調査—平成21年3月実施調査結果」(2009年4月)。
図1●国内のデジタル家電世帯普及率の推移(2003年3月〜2009年3月調査)。主要デジタル家電と乗用車を取り上げた。「カラー・テレビ」は「薄型テレビ」か「CRTテレビ」のどちらかを所有する世帯である。出所:内閣府経済社会総合研究所,「消費動向調査—平成21年3月実施調査結果」(2009年4月)。
[画像のクリックで拡大表示]
図2●家電を中心とした耐久消費財の国内の世帯普及率推移(1966年2月〜2009年3月調査)。「カラー・テレビ」は「薄型テレビ」が「CRTテレビ」のどちらかを所有する世帯,「DVDプレーヤー/レコーダー」は「DVDプレーヤー」か「DVDレコーダー」のどちらかを所有する世帯である。出所:内閣府経済社会総合研究所,「消費動向調査—平成21年3月実施調査結果」(2009年4月)に2008年3月までの調査結果を「日経マーケット・アクセス」が追加。
図2●家電を中心とした耐久消費財の国内の世帯普及率推移(1966年2月〜2009年3月調査)。「カラー・テレビ」は「薄型テレビ」が「CRTテレビ」のどちらかを所有する世帯,「DVDプレーヤー/レコーダー」は「DVDプレーヤー」か「DVDレコーダー」のどちらかを所有する世帯である。出所:内閣府経済社会総合研究所,「消費動向調査—平成21年3月実施調査結果」(2009年4月)に2008年3月までの調査結果を「日経マーケット・アクセス」が追加。
[画像のクリックで拡大表示]
図3●家電を中心とした耐久消費財の国内の世帯普及率の増減(2007年3月,2008年3月,2009年3月調査)。「カラー・テレビ」は「薄型テレビ」が「CRTテレビ」のどちらかを所有する世帯,「DVDプレーヤー/レコーダー」は「DVDプレーヤー」か「DVDレコーダー」のどちらかを所有する世帯である。出所:内閣府経済社会総合研究所,「消費動向調査—平成21年3月実施調査結果」(2009年4月)。
図3●家電を中心とした耐久消費財の国内の世帯普及率の増減(2007年3月,2008年3月,2009年3月調査)。「カラー・テレビ」は「薄型テレビ」が「CRTテレビ」のどちらかを所有する世帯,「DVDプレーヤー/レコーダー」は「DVDプレーヤー」か「DVDレコーダー」のどちらかを所有する世帯である。出所:内閣府経済社会総合研究所,「消費動向調査—平成21年3月実施調査結果」(2009年4月)。
[画像のクリックで拡大表示]
図4●国内の世帯主の年齢別デジタル家電世帯普及率(2009年3月調査)。出所:内閣府経済社会総合研究所,「消費動向調査—平成21年3月実施調査結果」(2009年4月)。
図4●国内の世帯主の年齢別デジタル家電世帯普及率(2009年3月調査)。出所:内閣府経済社会総合研究所,「消費動向調査—平成21年3月実施調査結果」(2009年4月)。
[画像のクリックで拡大表示]

 単身世帯を除く国内一般世帯で,液晶テレビとPDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)を合わせた薄型テレビとDVDレコーダーの普及率が2009年3月末時点で半数を超えた(図1,図2)。デジタル家電の普及率の上昇ペースが軒並みダウンする中,薄型テレビは前年同月比11.0ポイント増と唯一,二桁増を維持した(図3)。対照的に2008年まで普及率で薄型テレビより先行していたDVDレコーダーは,その伸びが同2.5ポイント増に減速した結果,2009年3月の普及率では薄型テレビを下回る結果になった。

 世帯主の年齢層別に見ると,29歳未満の一般世帯における薄型テレビの所有率が2008年3月調査に比べて8.1ポイント減,パソコンでは同18.3ポイントも減少するなど,若年世帯で比較的高価な品目からデジタル家電離れが起こっている可能性がある。

薄型テレビが3年連続で普及率の増加トップ

 内閣府は消費動向調査を毎月実施しており,その中で毎年3月には耐久消費財の所有状況を地域別,年収別などにわたって詳細に調べている。デジタル家電の世帯普及率のここ数年の推移を図1に,デジタル家電を含む耐久消費財の長期的な世帯普及率の推移を図2に示した。さらに,デジタル家電の世帯普及率の増減を図3に示した。なお,特に断らない限り世帯普及率は,単身世帯を除いた一般世帯を意味している。

 デジタル家電の世帯普及率の伸び幅は,2009年3月調査でいずれも前年同月調査よりも縮小した(図3)。伸び幅が最も大きかったのは薄型テレビである。3年連続で唯一毎年10ポイント以上普及率が高まり,2009年3月に54.9%と半数を超えた。

 また,世帯普及率8割を超えていたVTRを置き換える形で普及が急速に進んできたDVDレコーダーは,伸びが鈍化したものの,世帯普及率51.2%になった。

 既に飽和状態になっていた携帯電話機や,普及率約4割で頭打ちになっていたビデオ・カメラは微減である。パソコンやデジタル・スチル・カメラなども普及に頭打ち感が広がっている。2008年3月調査と比べると,1年間の普及スピードは軒並み2~3ポイント減速した。

30歳未満の一般世帯でデジタル家電離れの可能性

 2009年3月調査から若年世帯にデジタル家電離れが起きている可能性が表れた。29歳以下の世帯主の家庭で,DVDレコーダーの普及率は前年同月調査より高まったものの,パソコン,薄型テレビ,デジタル・スチル・カメラ,ビデオ・カメラの普及率がいずれも減少した。製品単価の高い薄型テレビやパソコンの普及率が他の世帯主年齢層よりも低い(図4)。携帯電話機やデジタル・スチル・カメラといった5万円未満であることが多い品目では,他の世代とほぼ同等かそれよりも普及しているのとは対照的で,こうした現象は2009年3月調査で初めて表れた。

【調査方法】
内閣府経済社会総合研究所景気統計部が全国の約4780万世帯の中から,一般世帯4704世帯,単身世帯2016世帯を抽出し調査を行った。内閣総理大臣が主管し,調査の実施を社団法人新情報センターに委託し,調査員を通じて実施した。2009年3月調査の有効回答数は,一般世帯が3353世帯(有効回答率74.7%),単身世帯が1664世帯(同82.5%)。2007年3月調査から調査方法を変更した結果,有効回答率は下がった。従来は,調査拒否があった場合は,回収率を上げる方策を積極的に取ってきたため有効回答率はほぼ100%だった。