「自動車産業」「電子産業」依存の貿易立国
ここで改めて2009年1月分の輸出をみると、前年同期比で-45.7%と、ほとんど半減している。特に減少幅が大きかったのが、自動車や自動車部品、そして電子部品である。
品目 | 伸率 | 寄与度 | |
---|---|---|---|
1位 | 自動車 | ▲66.1% | ▲12.2% |
2位 | 半導体等電子部品 | ▲52.8% | ▲3.1% |
3位 | 自動車の部分品 | ▲51.9% | ▲2.0% |
日本は、モノカルチャー経済
最近は聞かないが、私は子供の頃に「モノカルチャー経済」という言葉を習った。例えば、サトウキビやコーヒー豆など特定の農産物への経済的依存が大きい状態を指す。その状況でそれら農産物の市況が悪化すれば、とたんに国の経済自体が危うくなるというわけだ。私は現在のわが国の経済は、この「モノカルチャー経済」になっているのではと感じている。
ただし、サトウキビなどの一次産物ではなく、「自動車」「電子」という二次産物に頼るモノカルチャー経済である。下図は経済産業省が作成した資料からの抜粋であるが、二大産業の下に多くの企業が関係しており、自動車と電機が振るわなくなるとわが国の経済自体まで振るわなくなる構造になっている。
自動車でみると、同関連産業に直接・間接に従事する就業人口は日本自動車工業会の推計によると約500万人(自動車保険なども含む)にのぼり、雇用の1割弱を生んでいることになる。2006年の自動車製造業(二輪自動車、車体・付随車、部分品・付属品を含む)の製造品出荷額等は54兆1091億円で、GDPの1割を超えるのである。家電やIT機器の生産規模も2004年で64兆円と、わが国のGDPの1割を超える水準に達している。この二つ、つまり自動車産業と電子産業の生産額を合わせれば、わが国のGDPの1/4弱を占める状況になっているのである。