お薦めトピック
- AD -
コラム

《行動のサプリ》第2回---決断の重要性(2)29秒の決断

2009/03/11 19:00
笠原 隆=ノバ コンサルティング 代表取締役
はてなブックマーク
Facebookでシェアする
Twitterでつぶやく
印刷用ページ

 前回は「選択と決断」の重要性を説明しました。今回は,「鉄鋼王」と呼ばれたAndrew Carnegieにまつわる決断の話を紹介します。

やり残した事業

 今から1世紀以上前の1900年ごろ,米国のAndrew Carnegieは1代で鉄鋼会社を築き上げ莫大(ばくだい)な財産を手にしていました。そして,その財産を社会に還元し始めます。有名な「Carnegie Hall」の建設や,米国全土に3000以上の図書館を寄付したことなどが挙げられます。Carnegieは「人間が金を持ったまま死ぬことは不名誉である」と語っています。

 しかし,Carnegieにはやり残した大きな事業が一つありました。それは,成功哲学を体系化するという仕事です。「既に私が実証済みの成功ノウハウがある。しかし多くの人は,試行錯誤を繰り返し,失敗によってその才能をすり減らしているのだ」というのがCarnegieの主張でした。

人は紹介する,だが資金は援助しない

 1908年,記者をしていた25歳の青年が取材のためにCarnegieを訪ねました。それがNapoleon Hillです。Carnegieは3日3晩にわたって彼が培ってきた成功ノウハウをNapoleon Hillに話しました。そして3日目の夜,Napoleon Hillに提案をしたのです。

 「私の得た成功ノウハウを一つのプログラムとして完成させてみる気はないかね? そのために知り合いやインタビューすべき人たち,成功者,成功しつつある人たちを500人紹介しよう。彼らの協力を得て20年で成功哲学を完成させてほしい。ただし,資金の援助は一切しない」

 皆さんだったらどうしますか? Napoleon Hillも戸惑いました,なにしろ資金援助が一切得られないのですから。

29秒の決断

 しかしNapoleon Hillは「その仕事を引き受けます」と答えました。回答に要した時間は29秒。実は,Carnegieはストップウォッチで時間を計っていたのです。Carnegieが設定していたタイムリミットは1分でした。決断の遅い人間は行動も遅いというのが,Carnegieの経験から生まれた考えでした。

 Carnegieは,Napoleon Hillと会う前に100名以上の人たちを面接していましたが,Napoleon Hill以外は1分以上かかっていたのです。その中には,1年たっても結論が出せなかった人もいたそうです。

無報酬の結果

 一切報酬がないという条件にも理由がありました。Carnegieは,Napoleon Hillにこう伝えています。「私は成功のノウハウを君に教えた。そのうえ君は,成功した人々やその道の大家とこれから長い年月にわたって協力し合うことになる。君が成功しないなどということはあり得ないのだ」。そして,その言葉の通りNapoleon Hillは米国屈指の大富豪になったのです。

 次回は「成功者に学ぶ決断力」というテーマで話をします。

Tech-On!プレミアム

膨大な記事データベースから、必要な記事を検索し、毎月30ページまで閲覧できる有料オンラインサービスです。(詳細はこちら

バックナンバー

English
中文

最新号

日経ものづくり
2012年2月号から

【特集1】

使ってみたい材料30

材料を見つめ直すことで、これまで知られていなかった新たな可能性が見えてくる。(続きを読む


【特集2】
 設計標準化の進め方
 ──多様な要求に応え、造りやすく──

【特集3】
  ISO26262
 クルマの安全が変わる、設計のプロセスが変わる


《新連載コラムがスタート!》
  【ものづくり塾・製造コース】
  現場の「困った」を解決する からくりと治具

定期購読のお申し込み 最新号を一冊買う

編集部からのトピックス

定期購読者限定サービス

雑誌掲載記事の検索&PDFダウンロード
● 本誌記事を全文検索で探すことができます。
● 探した結果は,本誌記事とほぼ同じ体裁のPDFファイルとしてダウンロードできます。
● 1カ月あたり40ページ分までのダウンロードは定期購読者なら無料です。
アーカイブサービスとは
雑誌掲載記事の検索&PDFダウンロード

購読のご案内

毎月1日発行
年間購読料(税込み)
1年(12冊):13,200円
3年(36冊):28,600円
一部売価格(税込み): 1,400円

バックナンバー

2012年1月号
2012年1月号 特集 工場飛び出すロボット技術

新領域ロボットでは実際にどのような技術が求められているのか、ロボットやその要素部品の開発例を通じて見ていく。

2011年12月号
2011年12月号 特集 高効率エンジン

高効率エンジンの登場が相次いでいる。その開発現場では、「常識」を打ち破り、「限界」を超えるための闘いが繰り広げられている。

2011年11月号
2011年11月号 特集 医療機器への挑戦

医療機器の開発で最も難しいのは、使い手である医療関係者の要求を技術者がうまく理解すること。医療関係者の声に耳を傾け、要求を理解し、その期待に技術で応えた事例を紹介する。

雑誌バックナンバー
日経ものづくり定期購読キャンペーン