というわけで、インターネット検索してみると「農業教えます」「就農はおまかせ」サイトが目白押しで盛況なのである。日本のインターネット人口はまだまだ拡大の余地があるのが現状ではあるが、それでもかなり関心が高いとみて間違いないだろう。

 それが確認できたら、実際に生活者から周辺情報を集めてみる。利害関係のない身の回りの人から、年齢、職業などが異なる10~30人ほどをセレクトし、直接質問して本音を聞くのである。こうすることで、信頼できる生活者情報を簡単に得ることができる。

 さっそく「これからの時代、農業ってどうかな?」と聞いてみると、10人中10人が「ありだと思う」と答えた。「自宅の周りで自分たちが食べる分だけ作ってる」「最近は若い女の子が野菜栽培とかにハマってる」などという情報も入ってくる。

 なるほど自作農業は時代のトレンドになっていくのかもしれない。では小生が農業を始めるぞ、などとで宣言したら、仲間はどう反応するのだろうか。で、メールしてみたら「いいんじゃない」という好意的な回答が多く得られた。約7割がこんな返事である。けれど、残り3割は「できっこねぇ」という。

 「絶対枯れない観葉植物すら枯らしてしまうあんたが、農業なんぞとうてい無理」「ずぼらには無理」「寒いの苦手、ずぶ濡れきらい、早朝弱い、そんな都会育ちの人には無理」「素人大歓迎!きっとあなたも自給自足できる、にダマされて土地買わされるぞ」「大金持が蒲萄農園を買い取りワイン作りに余生を捧げたが、老人の顔には深い苦悩のしわがあったとさ」「大干ばつにやられて桃農園権利を泣く泣く手放した友人がいる」「慣れないことやるより安い外国産の野菜とか米を梅干しで食うのがいいんじゃないの」「自前農業なんて、しょせんは隣の芝生さ」

 実に情容赦のない意気消沈攻撃である。いい友達を持ちましたよ、まったく。みんな、ありがとね。

 でも、ここまで言われると逆に闘志に火がつくというもんだ。で、ついつい本気になってしまった。よーし、「半農半ネット(インターネットで仕事)」のライフスタイル企画をやってやろうじゃないの、と拳を突き上げ宣言してしまう私なのである。

―― 次回へ続く ――