10月1日

 コンセプトを再考してみた。当初は雲をつかむようなあいまいなイメージから始めたが、その出発点はこんなところだ。

 自分は週末になると東京近郊の海に遊びに行く。しかし車では渋滞、CO2排出、ガソリン代高騰、車の維持費と手間とマイナス要因が多すぎる。電車でうたた寝しながら行き、ぶらぶら海まで散歩して、帰りはビール飲みながら電車で帰るのが最高だ。でも、最寄りの駅から海までは、最短コースである田んぼの畦道を通っても10kmの距離がある。手軽な動力のある「何か」に乗って稲穂の中を海に向かったら、さぞや気持ちがいいだろう。

 その「何か」とは何か。たとえば1枚の板にタイヤとモーターとバッテリーを付けただけの最小単位の乗り物。これなら、電車、バス、飛行機に持ち込め、会社のロッカー、部屋の机の下に置いておくことだってできる。そう考えた。

 で、調べてみると数種類の電動スケボーがすでに市販されているではないか。その中の一つである「エクスケート」を開発したヴォーグインターナショナルを紹介したサイトでは、「日本の中小企業の技術開発力を結集することでコンセプトを実現させた」と絶賛されている。

 同社によると、主な仕様は以下の通りである。最高速度35km/hで0~35km/hまでの加速は4秒、重量は19.6kg、デッキ部の寸法は107cm(長さ)×24cm(幅)。家庭用のコンセントで0~90%までは2.5時間程度で充電でき、その状態で約15kmの走行が可能・・・。いや、なかなかのものではないか。

 さっそくヴォーグインターナショナルに問い合わせのメールを出してみると、即丁寧な返事がもらえた。「ソーラー充電はできませんか?」と質問したら、確認できないとのこと。次に「海外に持って行きたい」と言ったら「出国審査でバッテリー液が問題とされ拒否されることがあります。それに20kgあるので大変ですよ、普通は車で持ち運ぶんです」と言われた。

 飛行機はダメらしい。そうでなくても20kgは重すぎる。軽量化を考えねば、ということで「いっしょに開発しませんか」とメールをしたら「自分は以前S社で移動ロボットを開発していたが、そのチームが解散することになってしまった。この開発メンバーなら協力してくれるかも」とのことであった。