拙宅を大災害が襲った。自宅マンションの上階で給水管のジョイントが外れ、そこから噴出した水が上階の床とわが家の天井を突き抜け、部屋に豪雨のごとく降り注いだのである。おかげで、部屋は床上浸水状態。下階まで被害が及ぶという大惨事であった。ホントに。

 そんなことで、リビングと寝室の天井、壁、床は総張替えという状況になった。いや、それより問題なのは、狭い家に詰め込まれた物品の被害である。衣類や敷物のように洗濯すれば済むものはいいけれど、そうでないものが実に多くある。アンティーク家具などは水濡れ部分が脱色して悲惨なことになり、大切にしていた稀少本を含む多くの書籍がワカメの束のようになってしまった。余計なことに、カビまで生えてきて。

 それもこれも、上階のリフォームを担当した会社が保険を使って補償してくれるという。値段があってないようなものをどのように補償してもらうのかというのは極めて難しい問題だと思うがそれはさておき、とりあえず困ったのは寝具。何しろ、ベッドは寝室天井から降り注いだ豪雨のためベチャベチャなのである。

ナゾを呼ぶ巨大文字のタグ

 その窮状をリフォーム会社に訴えたら、「とりあえず今日はこれでしのいでいただければ」と、掛け布団、敷布団、そして簡易マットレスを運び込んでくれた。やれやれと少し気持ちに余裕が出てきたら、さっそく頭をもたげるのはいつもの詮索癖である。間に合わせの寝具だから安いものなのだろうが、どんな素材なのだろうかと付属しているタグをチェックし始めた。