この様子は,IEAが提出した資料中の図1に明確に見ることができる。棒グラフが石油負荷(Oil Burden)である。石油負荷とは,世界全体のGDPに対する石油価格の割合である。

図1 IEAによる石油負荷と石油価格の推移 棒グラフ(左軸)は石油負荷(世界全体のGDPに対する石油価格の割合),折線グラフ(右軸)は原油価格(WTI,現物取引)。すでに第3次石油ショックの様相を示していることが明確に分かる。(出典:IEA)
図1 IEAによる石油負荷と石油価格の推移 棒グラフ(左軸)は石油負荷(世界全体のGDPに対する石油価格の割合),折線グラフ(右軸)は原油価格(WTI,現物取引)。すでに第3次石油ショックの様相を示していることが明確に分かる。(出典:IEA) (画像のクリックで拡大)

 1973年まで,石油負荷は2%以下であった。しかし1973年に4%近くに倍増し,1980年には,さらに倍増近い上昇を示している。その後,石油負荷は下がるが,決定的に低下したのが1986年である。そして,再度2%前後の値となっていた。その後,石油の絶対的な価格は上がったものの,世界全体が経済成長を実現したため,石油負荷は相対的に低い状態だった。

 その状態に変化が見え始めたのが2005年のことである。原油(WTI)価格が60米ドルを超したのである。そして,2008年にとうとう140米ドルを超すという史上最高値を付けた。今年の石油負荷がどうなるか不明であるが,過去最高の1980年のレベルを超す可能性もある。

 この状況を見れば,第3次石油ショックと言える状態になっている,と判断するのが妥当だろう。