連載主旨
日本の伝統的なものづくりの技を取り上げ、分析します。単なる表面的な紹介にとどまらず、多角的に「技」を分析することで、その本質を浮き彫りにすることを目的とします。同時に、日ごろは開発や経営の最前線で働いておられる読者の方々に、「人と仕事」を通じ文化/芸術の奥深き世界に触れていただくことも目指しています。分析の視点ですが、一つ目の切り口は、技自体の検証。経験則で完成度を上げてきた技には、合理性があるはずです。それを現代的な視点で分析します。二つ目の切り口は、「継承術」の検証。高度に組み上げられた技の体系を、どう代々伝えてきたかを解きほぐします。三つ目の切り口は、時代性の検証。時代の変化をどう乗り切ってきたかを振り返り、今後のあり方を探ります。
藤森武(ふじもり・たけし)
写真家
1942年東京都生まれ。東京写真短期大学卒業。写真家、土門拳に師事した後、70年からフリーランス。主に人物、古美術、仏像をテーマに活動。全国の 60あまりに及ぶ博物館の収蔵品撮影も継続中。主著書に『秘仏十一面観音』(平凡社)、『隠れた仏たち』(全5冊・東京美術)、『独楽 熊谷守一の世界』(世界文化社)。白洲正子との共著に『白洲正子 私の骨董』(求龍堂)、『器つれづれ』(世界文化社)など。日本写真家協会会員。土門拳記念館理事・学芸員。

宮田昌彦(みやた・まさひこ)
写真家
1963年大阪府茨木市生まれ。大阪芸術大学 芸術学部写真学科卒業。写真家、91年からフリーランス、92年法人組織とする。広告写真で人物、料理、建築などで(株)エムツーフォトを主宰。刀匠である河内國平を平成9年から撮影、継続中。個展「天井川のどての下」(94’ギャラリー紅、コンタックスギャラリー)、「刀匠、河内國平の世界」(05'HANARE、フジフォトサロン)。著書に『グリコのおもちゃ』(新風舎)、『刀匠 河内國平という生き方』(里文出版)、『刀匠が教える日本刀の魅力』(写真担当、里文出版)など。日本広告写真家協会会員。大阪芸術大学非常勤講師。

仲森智博(なかもり・ともひろ)
チーフディレクター(日経BP企画)
1959年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業後、沖電気工業基盤技術研究所にて薄膜デバイス、結晶成長法などの研究に従事した。1989年日経BP社入社、以降日経エレクトロニクス誌の記者として研究開発、コンシューマ機器、ディスプレイ、ストレージ、デバイスなどの分野を担当、同誌副編集長、日経メカニカル編集長、オートモーティブ・テクノロジー編集長、日経ビズテック編集長、 NVCオンラ イン編集長などを経て2010年から現職。

港さちよ(みなと・さちよ)
コピーライター。京都教育大学卒業。大丸京都店宣伝部を経て1990年からフリー。広告制作のほか社史・広報誌で取材記事を中心に担当。表具・防災など複数のテーマで広告の視点からのメディア制作を企画。

清野由美(きよの・ゆみ)
1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界をまたにかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。国内外の都市開発、デザイン、トレンド、ライフスタイルを取材する一方で、時代の先端を行く各界の人物記事に力を注ぐ。『アエラ』『朝日新聞』『日本経済新聞』『日経ベンチャー』などで執筆。著書に『セーラが町にやってきた』(プレジデント社)。近著は『ほんものの日本人』(弊社刊)、『新・都市論TOKYO』(集英社新書・隈研吾氏と共著)。

高尾曜(たかお・よう)
漆工芸研究家。柴田是真・原羊遊斎・飯塚桃葉・田村壽秀など、近世以降の漆工人伝記・作品研究で知られる。「蒔絵博物館 高尾曜のホームページ」主宰

国分樹生(こくぶん・みきお)
ライター、編集者。打刃物関連の本の執筆、編集などのほか、職人や食にかかわる人々への聞き書きもライフワークとして続ける。

松井亜芸子(まつい・あきこ)