もう少し具体的にいえば、現状ではJAXAは文部科学省の一つの局である「研究開発局」の傘下にあり、以前は総理府にあった宇宙開発委員会は「JAXAの活動しか議論できない」ようになっています。つまり、宇宙行政の一番大きな実施部隊であるJAXAと宇宙開発委員会は、文部科学省の所管である「研究開発」しかできなくなっているのです。この状況を変えるのが宇宙基本法です。

 私たちが作った宇宙基本法案では、これを以下のように改めようとしています。

宇宙開発委員会を廃止し、内閣官房に総理大臣直轄の「宇宙開発本部」を設置する
宇宙開発本部には、文部科学省、経済産業省、JAXAなどの宇宙政策関連の企画調整機能を担う「宇宙局」を1年後に設置する

 このようにして文部科学省から宇宙政策を切り離し、宇宙の開発と利用を長期的な視野から推進できるようにするという法律なのです。