趣旨
 多くの人は人生で就職というステップを踏む。その時,就職先が理想の職場で,有意義な仕事が出来ることをだれもが希望するもの。しかし,もし職場が希望に合わなくなってきた場合はどうするのか?
ここで出てくるのが転職問題だ。しかし転職に慣れている人はまれで,多くの人は転職すべきか,それとも留まるべきかに悩む。技術者とて,その悩みは同じだ。
 筆者は長年技術者のキャリア設計に関わる中で,転職問題の悲喜こもごもを真近で見てきた。

 転職に王道なし。
個人の個性と相手企業,そして担当者次第で転職は吉にも凶にもなる。 技術の多様化,流動化,グローバル化・・・・・。特に技術者が取り巻く環境は,不確実性が増している。ただし,こんな現代だからこそ,チャンスは広がっているともいえる。
実際に経験してきた実例から,技術者の転職が成功するヒントが何かを探る。
小林 巡(こばやし めぐる)
Business Creation & Collaboration Network代表取締役
 1974年大阪市立大学経済学部中退。70年より2年間,ユーラシア大陸方面を放浪する。87年より社団法人日本工業技術振興協会(JTTAS)人材開発部部長として約10年間,大手企業数百社に対して研究者・技術者を多数紹介する。また,主に東南アジアの国々に技術専門家を30人ほど派遣。98~2003年科学技術者フォーラム事務局長を務めた後,2003年4月にBusiness Creation & Collaboration Networkを設立し,代表取締役に就任。この間,個人の創業支援,中小・ベンチャー企業と大手企業の提携仲介,新規事業の立ち上げ支援などを手がける。