趣旨
 ニュースが溢れている。追うまでもなく、いくらでも降ってくる。ノックもなしに、いきなり上がり込んでくるやつまでいる。それをつまみ食いして、いつも満腹になった気でいようというのが、当世流なのかもしれない。  だからこそと、天邪鬼の私は思う。ニュースというどこかで起きた事実をなぞっていくのではなく、それを一度は腹に入れ、自分の脳みそをもって思索にふけってみる。それが、大切なことなのだと思う。別に証拠はないけれど。  ところが、都合の悪いことに「下手の考え休むに似たり」などという諺がある。さらには「ごまめの歯ぎしり」とも言う。それをひっくるめてやろうとしてい るわけだから、とても威張れたものではない。それを知りつつメゲない気概を買って、多少の暴論妄言はお許しいただければと、伏してお願いする次第である
仲森智博(なかもり・ともひろ)
1959年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業後,沖電気工業 基盤技術研究所にて薄膜デバイス,結晶成長法などの研究に従事した。1989年日経BP社入社,以降日経エレクトロニクス誌の記者として研究開発,コンシューマ機器、ディスプレイ,ストレージ,デバイスなどの分野を担当,同誌副編集長,日経メカニカル編集長,オートモーティブ・テクノロジー編集長、日経ビズテック編集長、 NVCオンライン編集長などを経て2007年から現職。