「ブルーバードシルフィ」が、全面改良を受け2代目となった。従来モデルから、「ブルーバード」という伝統の名前に、「シルフィ」(4大精霊の土・水・日・風のなかの風の意味を持つ英語からの造語名)が新たに付け加えられたが、日産は、ずっとその二つの名を付けたまま、このモデルを作り続けていくつもりなのだろうか?

図1◎フロントビュー。

 それはともかくとして、新型ブルーバードシルフィは、エレガンスをシフトするという「SHIFT_elegance」をキーワードに開発された。特徴は、主にデザインとパッケージングにあり、曲線の美しいデザインのインテリアとエクステリアや、手触りがよくソファのようなシート、ゆったりお洒落に足を組める後席の広さ、スーパーマルチコンソールなどの使い勝手の良さや、インテリジェントエアコンによるきれいな空気の優しい室内空間などを実現している。主なターゲットユーザーは、40代の女性であるという。

 新型ブルーバードシルフィは、2.0Lと1.5Lの2種類のエンジンを用意する5ナンバーの3ボックス4ドアセダンである。今日、2.0Lエンジンを採用した5ナンバーセダンは、市場の縮小によって他メーカーからも探すのが難しい車種となっている。トヨタ「プレミオ」と「アリオン」、三菱自動車「ランサー」くらいだろう。それ以外は、2.0Lエンジンなら3ナンバーボディだし、5ナンバーボディで探せば1.8Lや1.5Lエンジンとなる。このように、新型ブルーバードシルフィは希少なジャンルに位置している。2.0Lエンジンの5ナンバー4ドアセダンに乗っている私としては、個人的にも興味深い新車である。

図2◎リアビュー。

 今回試乗したのは2.0LエンジンにCVTを組み合わせたFF車で、残念ながら1.5Lエンジン搭載のFF車は試乗会に用意されなかった。たった一台だけ、1.5Lのe-4WDがあったが、都合で乗ることがかなわなかった。

 2.0Lエンジン搭載の新型ブルーバードシルフィには、走り出してすぐに好感を覚えた。車高が、プラットフォームのベースとなったティーダに近い1.5メートルに及ぶ車体であるにもかかわらず、安定して、タイヤがしっかり路面をとらえる安心感がある。それでいて、走行中の乗り心地に硬すぎることがなく、走りは滑らかだ。

図3◎フロントシート。