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図1 エンジンは、第3世代(NC)と比べて15mm後退、13mm下に搭載。理想的なフロントミッドシップのレイアウトを狙った。
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図2 新設計の6速手動変速機。ケースの表面は凹凸か&\#12441;なく、ケースの断面の厚みを部分的に変化させることて&\#12441;強度を確保。
図2 新設計の6速手動変速機。ケースの表面は凹凸がなく、ケースの断面の厚みを部分的に変化させることで強度を確保。
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図3 デファレンシャルギアのマウント部分に、あえて50gを増量。これによりエンジンの共振周波数を有効に利用し、中回転域で車内へ躍動的な音が伝わるよう演出。
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 試乗前、ロードスター担当主査の山本修弘氏はこう言った。「交通ルールをしっかり守りながら、できれば7500rpmまで回してください」。

 その言葉通り、高速道路の料金所をくぐった直後など、1速、2速できっちりと7500rpmまで回して走ってみた。すると、グイグイグイと低回転域から高回転域までの伸び感がはっきりと分かる。1.5Lのクルマとは思えない、“地に足がついたような”、がっしりとしたトルク感が車体全体を包み込む(図1)。

 新設計の6速手動変速機は、ニュートラルのポジションがシフトパターンのど真ん中にあり、シフトレバーは垂直に立つ。そこから各ギアポジションへ移動するときには、心地よい押し出し感、スコンと入る気持ち良さ、さらに押し切った際の剛性感がある。シフトストロークは初代(型式名NA)、第2世代(NB)、第3世代(NC)と変わっていないというが、シフト操作の質感と快適性は明らかに向上している(図2)。

 さらに、音のチューニングが見事だ。低回転域では軽い排気音を発生。サイレンサー内で100Hz周辺の周波数を下げている。さらに回転を上げていくと、2500~5000rpmあたりに排気系からの音とは違う、車体全体を包み込むような独特の音が発生する。これはエンジンからの振動がドライブシャフトを通じ、そこからデファレンシャルギアを介してリアサスペンション、さらに車体後部から車体全体へと伝達する音なのだ。これを実現するために、デファレンシャルギアケースのマウントのブラケットを50g増量した(図3)。「グラム作戦」と呼ばれる軽量化を徹底した各部の設計に逆行する考え方だが、乗る楽しさを優先した判断だ。

 こうしたエンジンと変速機の基本設計と演出により、様々な走行シーンで「走りの楽しさ」を実感した。速度が上がる高速道路や、シフトアップとシフトダウンの回数が多い山間部のワインディング路はもちろん、時速30kmの市街地でも走りの楽しさが途切れることはなかった。