図1 スペインのバルセロナ郊外で開催されたマツダ「MX-5」プロトタイプ国際試乗会
図1 スペインのバルセロナ郊外で開催されたマツダ「MX-5」プロトタイプ国際試乗会
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図2 今回試乗したのは1.5L直噴ガソリンエンジン搭載の右ハンドル日本仕様。欧米では2.0L搭載車の導入も検討中という。
図2 今回試乗したのは1.5L直噴ガソリンエンジン搭載の右ハンドル日本仕様。欧米では2.0L搭載車の導入も検討中という。
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図3 新型マツダ「MX-5」のパワートレーン。エンジンはSKYACTIV-G 1.5Lの改良版。
図3 新型マツダ「MX-5」のパワートレーン。エンジンはSKYACTIV-G 1.5Lの改良版。
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図4 新型「MX-5」の主査、山本修弘氏。第三世代から10年間、開発の基本はロードスターの原点に戻り、「感」を造り上げることだったと説明。
図4 新型「MX-5」の主査、山本修弘氏。第三世代から10年間、開発の基本はロードスターの原点に戻り、「感」を造り上げることだったと説明。
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 マツダはスペインのバルセロナで2015年1月30日、第4世代となる2シーター小型スポーツカー「MX-5」(ロードスター)プロトタイプの国際試乗会を開催した。日本では2014年の末に、国内のクローズドエリアで報道関係者向けの試乗会が行われているが、一般公道を使用した試乗会は今回が初めてだ(図1)。世界各国から40人前後のモータージャーナリストが集まった。

 バルセロナ市街地から北の方向へクルマで約30分。高級住宅が立ち並ぶ丘陵地帯の一角にあるレストランを基点に、約80kmの公道を走った。今回試乗した車は、車両寸法が全長3915 × 全幅1730 × 全高1235mmで、ホイールベースが2315mm(図2)。質量は1000kgだ。エンジンはSKYACTIV-Gの1.5L直噴ガソリンエンジンで、最大出力は96kW(7000rpm)、最大トルクは150N・m(4800rpm)(図3)。変速機は新設計の6速手動式を採用した。タイヤは横浜ゴム製の195/50R16だ。

 今回マツダから配布された資料によると、MX-5の販売実績は1988年の初代発売から2014年11月までの累計で93万9028台だという。内訳は北米が44万4835台、欧州が30万1673台、日本が16万8455台、オーストラリアが1万6898台。また2009年から発売した中国が1793台、その他が5374台である。

 「守るために変えていく」。開発に当たった商品本部・主査の山本修弘氏は、このクルマに対する思いをこのように表現した(図4)。守るとは、運転する楽しさを守ること。変えるとは、スポーツカーの本質を体現するために変えること。エンジン等のスペックではなく、オーナーがこのクルマを本当に好きになることを目指す。このクルマを持つことで人生が楽しくなる。それがMX-5の商品価値だと語る。

 そのために最も重要視してきたのが、「感」をつくることだという。「感」を重視してクルマを進化させることで、人がクルマを楽しむ領域をさらに押し広げる。具体的には「Feeling Car responds・Directly to your intentions(応答性)」「Feeling of Lightness(軽量ボディ)」「Feeling of openness(快適性)」の3つの開発テーマを掲げた。

 これらを実現するために、「Cockpit(運転感覚)」「Light Weight Structure(軽量構造)」「Dynamic Characteristic(動力性能)」「Open Pleasure(開放感)」そして「Performance feel(高性能)」の5つの領域で開発を進めた。さらに、デザイン、パワートレイン、車体、製造など、それぞれ別部門のエンジニアが他の領域に入り込んで「共創」することを重視したという。

 では次回以降で、各開発部門のエンジニアの声を交えて、試乗の感想を述べていきたいと思う。