マツダが2015年2月下旬に発売する新型SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「CX-3」。そのプラットフォームは、小型車「デミオ」の思想を踏襲したものだ。ただ、これまで紹介してきたように、CX-3はデミオより車高が高く、タイヤの径も幅も大きい(ばね下質量が大きい)。そのため、運転を純粋に楽しめるクルマとするために、デミオのプラットフォームの多くの部分をCX-3向けに設計し直している。

サスペンションのロアアームを斜め下に傾ける

 その1つが、前後のサスペンションだ(図1、2)。車高の高いCX-3では車両の重心が高くなる。そこで、車両のロールセンターをデミオより高くすることで、ロールに対する安定感を高めた。

図1●CX-3のフロントサスペンション
マクファーソンストラット式を採用する。
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図2●CX-3のリアサスペンション
トーションビームアクスル式を採用する。
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 具体的には、デミオではタイヤのハブに向けて水平に取り付けていたフロントサスペンション(マクファーソンストラット式)のロアアームを、斜め下に向くように角度を付けた。ただ、CX-3では大径のタイヤを取り付けるので、こうした対応だけではかえってロールセンターが上がりすぎて、サスペンションが“突っ張って”しまう。そこで、ロアアームを取り付けるペリメーターという部材の高さをボディーに対して下げたという。加えて、サスペンションのばねとスタビライザーの剛性を上げて、ロール剛性そのものも上げた。