東京高専のブース
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 東京工業高等専門学校は、昨年までの展示に続き、管内の振動流中のガス輸送に関する研究成果を発表した。同校はこれまでの研究で、管の内壁に溝を付けたり、振動流自体を正弦波状から間欠振動流にしたりすることによって、ガス拡散の効果が大きくなることを突き止めている。この現象を目で見て直感的に理解できるように、ガスの代わりに微小な粒子を使って、その挙動が見られる装置を持ち込み、実演した。

八戸高専のブース
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 八戸工業高等専門学校は、オートマッピング・ロボットと体験型エンターテインメント・システムについて発表した。オートマッピング・ロボットは、自律制御でマッピングをしながら迷路から脱出できる。五つのPSD(position sensitive detector)センサと二つの自作エンコーダによるPID(proportional integral derivative controller)制御を用いて実現した。体験型エンターテインメント・システムは、「バーチャル三次元迷宮脱出」「太公望」とそれぞれ名付けた二つのゲームを展示した。前者は、加速度センサを内蔵した箱型の装置を操作してボールを移動させ、バーチャルの三次元迷宮を脱出するゲームである。後者は、加速度センサ、ジャイロ・センサ、モータ、本物の釣り竿を利用した釣り体験ゲームである。

舞鶴高専のブース
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 舞鶴工業高等専門学校は、マイクロギア・モールド、放射線可視化プラスチック、野良猫および野良犬対策装置、の三つを展示した。マイクロギア・モールドは、インプリント技術に不可欠なモールドであり、MEMSの摺動部品への応用を考えているという。放射線可視化プラスチックは、人の目では見ることのできない放射線を可視化できる、ADC(アリル・ジグリコール・カーボネート)というプラスチックである。放射線によって発生する損傷(穴)を観測できるので、放射線の力や危険性を体験できる。野良猫・野良犬対策装置は、超音波技術を応用して開発したものである。

松江高専のブース
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 松江工業高等専門学校は、2012年8月に神戸で開催された「レスキューロボットコンテスト」に出場したロボットを展示した。同コンテストは、無線で操作するロボットで人形をいかに優しく早く救出するかを競う。同校は、ガレキ除去と救助活動を単独で行えるロボットと、それぞれの作業を分担して行うロボットを製作し、効率のよい救助活動を目指した。展示ブースではロボットの救助作業のデモンストレーションをした。

水戸第二高校のブース
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 水戸第二高校は、水戸ガラスとBZ反応について、それぞれ発表した。水戸ガラスは、かつての水戸藩内で産出された燧石(すいせき)を使ったガラスである。幕末の水戸藩主の徳川斉昭が、望遠鏡のレンズを作ろうとガラス作りを試みたが、幕府はこれを認めず、幻となった。同校は古文書を参考に、その復元に取り組んだ。また、同校は、2011年に米国の科学誌「The Journal of Physical Chemistry」に論文が掲載された「BZ反応」に関する研究内容についても、その後の成果に関して、研究を引き継いだ後輩たちが報告した。