水の使用量が6.5Lと少ない食洗機。通常の洗浄コースのほかに,20分で乾燥まで終えられる短縮コースも用意している。(写真:Siemens-Elektrogeräte社)
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米Apple Inc.の「iPhone」や「iPad」の売れ行きが好調だったという点は,ドイツも同じである。このほかに,2010年は薄型テレビの販売が好調だった。特に,南アフリカで開催されたサッカーのFIFAワールドカップ(W杯)の期間には,量販店で品薄になるほど薄型テレビが売れた(図1)

図1 W杯期間には品薄に
ドイツでは薄型テレビの販売が好調だった。写真は,ソニーの「BraviaKDL-55EX505」。約2000ユーロで販売されている。(写真:Sony Deutschland社)
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 日本では地上デジタル放送の導入を機に,薄型テレビに買い替えた人が多いだろう。しかし,ドイツでは事情が少し異なる。ドイツの一般の家庭では,定時退社後に自宅で家族と過ごす時間が長いため,テレビの画質にこだわる人が多いのである。これが,テレビ買い替えの大きな動機となる。

 ドイツの薄型テレビの売れ筋は32型である。画質や音質に優れ,パソコンとの接続が可能なモデルの人気が高かった。

節水・節電モデルを積極購入

 白物家電では,省エネの食器洗い機(食洗機)や洗濯機,冷蔵庫が売れた。あるドイツの家電メーカーによると「消費者は節水・節電モデルを積極的に選んで購入している傾向がある」という注1)。販売店の家電売り場へ行くと,どの製品にも機種別のEU統一のステッカーが張ってある。例えば,水を使う機器の場合,ステッカーには消費電力や消費水量によってA~Gのランクが示され,さらに,1回分の消費電力や水の使用量などが書いてある。

注1) コーヒー・メーカーも消費電力の低減機能を搭載する。例えば,ドイツMelitta HaushaltsprodukteGmbH& Co . KGの「Caffeo CIE 970-103」は,1時間の消費電力が1W以下と低い(写真)。夜間には,電源を完全に切る機能を利用できる。同製品は,何を飲みたいかによって熱湯やコーヒー,ミルクなどを,自動的に入れる機能がある。価格は約900ユーロ(約10万円)。