ここに目を付けたVerizon Wireless社はGoogle社と戦略的提携を結び,2009年末にMotorola社のスマートフォン「Droid」の販売を開始したのである。

 米NPD Group, Inc.によると,米国で2010年第3四半期に販売された携帯電話機の1~3位はApple社やRIM社,韓国LG Electronics Inc.の製品だったが,4位に新世代の「Droid X」,5位に台湾HTC Corp.のAndroid端末「HTC EVO 4G」が入った。

人気ゲームが据置型に進出

 スマートフォンの人気は,とどまるところを知らない。人気を博したiOS向けのゲーム・ソフトウエアが,据置型ゲーム機への移植を予定するという逆転現象も起きている。そのソフトウエアは,フィンランドRovio Mobile Ltd.の「Angry Birds」である(図3)。0.99米ドルの同ソフトウエアは,2010年5月ごろに「App Store」の有料アプリケーション・ソフトウエアのダウンロード数で米国1位の座に輝いた。

図3 米国でヒット中のスマートフォン向けゲーム「Angry Birds」
Rovio社のゲーム「Angry Birds」は,2010年4月に米App Storeの有料ダウンロード数で第1位となった。(写真:Rovio社)
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 Rovio社はiPhoneに続いて,2010年10月にAngry BirdsのAndroid対応バージョンを公開した。さらに,2011年中には「プレイステーション 3」や「Xbox 360」「Wii」といった据え置き型ゲーム機にも対応させる予定である。iPhoneから据置型ゲーム機に侵攻するゲームが間もなく登場する。

 Android陣営もアプリケーションの開発を加速している。Androidのアプリケーションを調査するWebサイト「AndroLib」によると,Androidのアプリケーションを配信する「Android Market」内のアプリケーション数は2010年7月1日時点で1万本に満たなかった。それが,2010年10月中旬ごろに,一気に18万本を超えるまでに成長した。

 Google社は,2011年に「Google TV」で第三者が開発したアプリケーションを公開する予定である。同社は,Androidアプリケーションの開発力を,Google TVでも積極的に利用する考えだ。