となると、傍目から見る限り、「その選択は勘違いだ」としかいいようがありません。就職活動の段階になって急に「やりたいこと」が社会貢献だなんて、どうしても違和感があるのです。大きな企業に入らなければ自分の面子が保てない、でも大きな企業に入れる自信もない、社会貢献なら体裁が保てるのではないか、と考えている?と疑ってしまいたくなります。何か「社会貢献」という名で、人のために何かしてあげるという自分に酔っているような気がします。本当に人の役に立ちたい、社会貢献したい、と思っていたら、小さい頃からボランティアに参加するなど、もう既に活動しはじめているはずです。

社会貢献とは

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社会貢献を、個人-法人、直接的-間接的、の軸で分類します。

○直接的-個人
個人でも直接的に社会貢献する方法もあります。慈善活動への寄付や、ボランティアへの参加などをすることが出来ます。

○ 直接的-法人
企業も社会貢献活動をしています。慈善事業を実施したり、売り上げの一部を慈善活動への寄付や提供をしたり、ボランティアへの援助を行っています。環境保全活動とともに行われ、これらの活動を通して、企業のブランドイメージの向上を図ってきました。最近では、企業が果たすべき社会的責任とまでいわれ、その位置づけは高まっています。

○間接的-法人
法人としての営利活動を通して、社会問題の是正に関わることも社会貢献です。例えば鉄道や運輸など社会インフラをイメージすると、分かりやすいかも知れません。

○間接的-個人
社員として会社の売り上げに貢献することが、間接的に売り上げの一部が会社の社会貢献活動に使われます。これも社会貢献です。

Sさんに気づいてもらわなくてはならないのは、会社に勤めることも社会貢献であるということ、そして、新興国で井戸を掘っている年配エンジニアのそばで「ガンバレ~」と応援するだけの社会貢献はない、ということです。

国際貢献への本気を問う究極の質問

大学に出しているSさんの親御さんは「国際貢献より、まずはちゃんと一人前に働いて生活してほしい」と願っているのですが、本人は目の前に降臨した“社会貢献”に、「これだ~」とすっかりほだされてしまっています。