「人づきあいは『得意じゃないけど、別にできます』って。ストレスを感じる時ってどういう時って聞かれたので、『人と意見が合わない時』って答えました」

予感的中です。大学で組織に所属せず、おとなしそうで、ひ弱な印象のYさんは、対人関係構築能力や、メンタルタフネスを疑われていたために、次の面接に呼んでもらうことが出来なかったのです。

理系こそ求められるコミュニケーション能力

理系職というと、実験室にこもって、研究開発、というイメージがあるかも知れませんが、実は、理系職が関係する組織では、たくさんの人と接します。

研究職に配属された場合、ユーザー(お客様)、営業、上司、アシスタント、設備業者、工業会、学会、産官学プロジェクト、生産技術職とも接します。ここに書いてありませんが、特許室、とも関わりがでてきます。生産技術職、品質管理、工程管理などの職場でも工場管理、製造管理、上司、アシスタント、建設業者、設備業者、加工業者、他部署、社外とも接します。

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企業で想像するのは難しいとしても大学内でも教授、学会、同級生、学会、先輩、後輩、アルバイト先

職員 企業の採用担当、ガイダンスの講師など、と接しているはずです。

プログラマーも、同じように多くの人と接します。プログラマーも一人でパソコンに向かってプログラムを組んでいるわけではありません。クライアントをはじめ、上司、同僚、アシスタントと、報告、連絡、相談というコミュニケーションを通して仕事をしていきます。だから、企業は面接で対人関係構築能力があるかどうかや、対人関係におけるストレスを抱えないかどうか、気にするのです。