「やりたいこと」と「できること」と向かい合えば怖くない

 自分は何がやりたいのか、何ができるのかを考え、抽象的ならば具体的に、情報がないならば情報を集めるなど、必ず方法があります。コラム「就職活動は怖くない」は、「やりたいこと」と「できること」と向かい合う9(ナイン)ケアモデルで考えていきます(下図)。

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 9ケアモデルは、縦軸に「進路の方向性が見えている(やりたいこと)」の明確さ、横軸に「学生が持っている学んだことへの自信(できること)」をとります。

A1.可能性を探る

 これがやりたいという進路の方向性が明確に見えているけれど、学んだことに自信がない、あるいは、やりたいことを実現するための環境として今の学び舎に満足していない学生には、可能性を探る行動を起こさせます。やりたいことをするために必要な能力は何で、自分に足りている能力と足りていない能力は何かを客観的に情報収集をしていくことから始めます。やりたいことを振りかざしているだけでは実現できない、ということを教えていきます。

A2.具体性を増す

 これがやりたいという進路の方向性あるいは、労働目的に見る価値観が明確に見えているけれど、業界や職種が明確になっていない学生には、具体性を増すための情報を集めさせていきます。こういうことがやりたい、それはどの会社で実現することができるのか、と調べていく作業です。理念を現実に落とし込んで初めて実現に向かうということを教えていきます。

A3.挑戦する

 これがやりたいという進路の方向性が明確で、学びと合致している学生には、目標を定めて挑戦させる段階に入ります。目指す目標にたどり着くためのロードマップを作成し、挑戦させていきます。

B1.種類を考える

 進路の方向性が少し見えていて、学びに自信がない学生は、種類を考える行動を起こさせます。おぼろげな方向性を明確にするためにも、学びに自信を持たせるためにも、仕事の内容を理解し、仕事の選択肢を考えていく作業をします。

B2.評価を知る

 進路の方向性もなんとなく、学びへの自信もそこそこの学生には、評価されるという考え方を理解させます。評価を知ることで、自分との差異を埋めるための行動に結び付けたいという狙いがあります。選ぶ権利は自分だけに与えられているものではなく、相手にも選ぶ権利があることを教えていきます。

B3.武器を補強する

 おぼろげながらも、進路の方向性が見えていて、学びに自信がある学生には、武器を補強します。資格やインターンシップ、ボランティアなど自分の弱みを補うことができるような資格や経験を積ませていく作業です。武器を補強する行動を通して、方向性を明確にしていく狙いがあります。