能力の自己評価が高くプライドも高い“一点盲目型”の学生は、業界や職種を広げられない傾向があるため、受験企業数を増やすことが重要です。「入りたい」といっている企業のグループ会社を受けさせたり、「業界研究のつもりで」と言って競合他社を受けさせたりすることが、リスク回避として有効です。

 能力の自己評価が中くらいでプライドが高い“宣言満足型”の学生は、体裁のよい冠がつく会社を片っ端から受け、それだけで疲弊してしまう傾向があります。こうした学生には、仕事は地味であることを伝えることで、視野を広げさせることが重要です。例えば,書類選考不合格のタイミングで先輩の内定先を調べさせたりすることが効果的です。

 能力の自己評価が低くてプライドが高い“非凡自慢型” の学生は、理由がつく大企業を数社受験して動かなくなるリスクがあります。こうした学生には、やりたいことには賛同し、やりたいことを実現するために長期的視野で人生設計をさせることが有効です。生活の基盤を作るために職を持つことをすすめることからはじめます。

 能力の自己評価は中から高でプライドも中くらいの“就職に対して迷い腰”の学生は、勉強も就職活動も中途半端なままピークを迎えるリスクがあります。「来年もう一度公務員」といって卒業してしまうこともあります。こうした学生には、家族会議で正式に方向性を決定して軸をしぼり、ダブルスクール(公務員予備校)を薦めることで対処します。

 能力の自己評価が高いけれどプライドは高くない“学びに引きこもり型”の学生には、父母、祖父母、兄姉弟妹も踏まえて、家族の合意を作らせることが大切です。留学を視野に入れる場合はTOEFLを受験させたり、大学院進学を並行して検討する場合は受験要項を取り寄せたりするなど、卒業後の就職を意識した進路選択を促しつつ、実際の行動を起こさせることで、自己分析を促します。さらに、条件を満たさない場合は進路変更してもいいことを伝え、就職活動をサポートする体制を整えておくことも重要です。

 能力の自己評価も中くらいでプライドも中くらいの“就職に対して及び腰”の学生には、最終的に選ぶ権利は企業にあることを伝え、学びは基礎であり、仕事は応用であることを理解させることが有効です。卒業式を過ぎたら、全員別の道を歩むことを教えることで、動き出す学生もいます。

 能力の自己評価もプライドも低い“就職に対して逃げ腰”の学生には、就職課、教員、親類、公的機関など第三者の手を借り、自信をつけるための支援を行うことから対処していきます。

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