子:就職で地元に戻ったほうがいいかな
親:お前の好きなようにすればいいよ
子:東京とか行ってもいいの?
親:お前のやりたいことができるならね
子:東京までの交通費どうしよう
親:それは自分のお金でやりなさい
子:えっ・・・

 親子の会話です。子どもは好きなようにしようにも交通費があるはずもなく、一歩が踏み出せず迷います。

 親の「地元で公務員試験を受けさせたい」という希望も、「一度東京で住んでみたいの」という一人暮らしに慣れた子どもの希望も、お互い本音は隠したままです。

 親の希望があるなら、言ってください。「お前の好きなように」という言葉は、好きなようにしたくてもできないジレンマで子どもを迷わせます。

 さらに、「好きなようにと言っていたのに、急に公務員と言い出した」という、“言った言わない”が親子の信頼関係を壊すきっかけにもなりかねません。理解のある親のふりはしないでください。

面接の基本 ―公務員採用試験―

 お子さんに「地元で公務員試験を受けさせたい」という希望を持つ親御さんも、数多くいらっしゃることでしょう。下のチャートは、公務員採用試験で聞かれる基本の質問をまとめたものです。縦軸に私生活と仕事、横軸に個人と集団を取り、質問をプロットしています。

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 公共に奉仕する公務員ですから、緑のところ、すなわち個人の私生活が聞かれます。例えば,以下のような質問が聞かれています。

 ・自分の性格
 ・公務員に向いている性格
 ・最近気になるニュース
 ・今朝の新聞で気になった記事

 また,公務員は仕事が変わるので、青のところ、個人の仕事も重視されます。以下のような質問によって、公共の奉仕への覚悟が見られています。

 ・勤務地が田舎でも大丈夫か
 ・どうして公務員なのか
 ・公務員の中でもなぜうちなのか
 ・あなたの考える公務員像とは
 ・志望している部署、部門、その理由