半導体製造 プロセス技術や工場の動向を知るための
 

取材を終えて--座談会で半導体製造装置業界の魅力を語る

2010/10/18 12:00
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 理系学生に半導体製造装置メーカーを取材してもらい,半導体製造装置業界の実態と魅力をレポートしてもらう今回の企画。3人の学生記者に東京エレクトロン,荏原製作所,日立ハイテクノロジーズを,それぞれ2社ずつ取材してもらった。その締めくくりとして座談会を開催,3人の学生記者に再度集まってもらって取材を通じて発見した半導体製造装置業界の魅力やそこで働く方々の印象を語ってもらうことにした。

半導体製造装置業界に対する見方が変わる

 既にレクチャや取材を通じて顔見知りになっている3人。打ち解けた様子で,座談会は進んだ。まずは取材を通じて半導体製造装置業界について,どのような印象を持ったかを聞いた。それに対し,学生記者からは「半導体製造装置業界が自分の将来の就職先の選択肢の一つとして入った」「(半導体製造装置業界の)現場を見ることができて良かった。現場には課題がたくさんあり,そこには自分が活躍できる場所があると感じた」「(それまではよく分からなかった)半導体製造装置業界のイメージができた」などの声が上がった。今回の企画を実施した当初の目的である「一見地味な半導体製造装置業界の魅力を就職を控えた学生に理解してもらう」ことに関し,少なくとも実際に取材をしてもらった学生記者には,その実態や魅力を分かってもらえたようだ。

 次に,半導体製造装置業界に魅力を感じるようになった学生記者に,逆に以前はなぜ魅力を感じないか,また周囲の学生がなぜ魅力を感じないかを聞いてみた。すると,やはり学生が半導体製造装置に触れる機会がほとんどないこと,その結果として半導体製造装置業界に入った場合にエンジニアとしてどのように過ごしていくことになるかという具体的なイメージがわきにくいこと,が課題として浮かび上がってきた。こうした理由から,学生にとっては半導体製造装置業界が縁遠いものとなり,例えば就職先の選択肢の中に入らなくなってしまっている。

“何を作るか”ではなく“どう作るか”がエンジニアの醍醐味

 理系学生がエンジニアを目指して就職活動(就活)をする際,どんな製品に携わりたいかを考えたり,先輩が就職しているところを頼りにしたりして就職先を探し始めることが多い。しかし,半導体製造装置に触れる機会など学生にはほとんどないし,先輩も少ない。この結果,半導体製造装置業界は就職先の選択肢に入らないことになる。このような状況を打開するためには,半導体製造装置業界を学生に良く知ってもらうことが大切であり,それに加えて学生にも「就職先の選び方をよく考えた方が良い」(雨宮さん)ようだ。

 確かに,理系学生はものづくりに興味を持ったことがきっかけで理系に進んだ人が多い。そのために就職の際も,まずどんな製品を作りたいかを考えがちである。その結果,自動車やデジタル家電など普段身の周りにある製品を作っている企業が就職先の選択肢になりやすい。しかし,作る製品は違えども「そこでエンジニアが行っていることはきっと同じ」(田中さん)である。すなわち,顧客の望む機能や性能を実現するための新しい技術を発案し,その技術が期待通りの機能や性能を生み出すかを検証し,その結果に基づいて改良していく。このような技術開発のフローはどのような製品でも同じである。その意味で,出来上がった製品が身近か否かは関係ない。

 しかも,半導体はパソコン(PC)や携帯電話機などのエレクトロニクス機器に留まらず,自動車や医療機器まで,ありとあらゆる製品の中に入り込んでいる。その半導体を作るために必要な半導体製造装置は,世の中のあらゆる産業を支えているといっても過言ではない。その半導体製造装置業界の中で,日本企業は高い国際競争力とnmオーダーという最先端技術を保持している。最先端の世界には「多数の課題があり,自分たちの活躍の場はいくらでもある」(天沼さん)。この意味で,世界の最先端を争う場に身を投じてエンジニアとしての自分の力を試したいと考える学生にとっては,格好の就職先の一つと言えるだろう。

 最後に,今回の座談会を終えた学生記者3人の感想を掲載する。取材の際も,企業や技術のことだけではなく,取材先のエンジニアにその企業に就職した理由やそこでのやりがいなどを活発に質問するなど,半導体製造装置業界やそこで働くエンジニアについて知ろうとする積極的な姿勢が見られた。その3人の取材記事や感想から,半導体製造装置業界の魅力を感じていただければ幸いである。

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