Tech-On!Campusの読者300人へのアンケート結果から,これまで4回にわたり,理系学生の就職に関する意識について紹介してきました。最終回となる今回は,就職に関する情報など,学生がどのような手段で情報を収集しているかについて紹介します。

 前回の調査結果にもあるように,理系学生が現在最も打ち込んでいることは何かというと「大学,ゼミの研究」が圧倒的に多数です。では,そのような研究に関する情報はどのような手段で集めているのでしょうか(Q17)。

Q17 どのような手段で「研究などに関する専門的な情報」を集めていますか。(三つまで)
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 最も多かったのは「学会・論文」(71.7%)。7割以上の人が選択しました。大学での研究といえば,当然ながらその分野で最先端の情報を収集しなくてはならないので,学会での発表や論文などは非常に貴重になると思われます。一方で,製品化の意識は大学では希薄なのか,「特許」(3.3%)を選択した割合は多くありませんでした。

 書籍(49.7%),教授(47.7%)という回答も約半分程度ありました。その一方で,ホームページ(26.3%)は約1/4。専門的でさらには最先端の情報は,なかなかインターネット上では収集できないようです。

 では,就職先に関する情報はどうなのでしょう(Q18)。ここで1位になったのは,圧倒的にホームページ(56.3%)。ホームページに関しては,具体的に閲覧しているサイト名を記述してもらいましたが,「リクナビ」「マイナビ」などの就職情報サイトを挙げる方が多くいました。また,これらのサイトの運営会社がイベントなどを多く開催している影響もあってか,「イベント・展示会・セミナー」(36.3%)も多くの人が選択しました。

 次いで多かったのは「友人」(35.0%),「教授」(23.3%)といった人づて系。優れた技術を持っている企業でも規模が大きくなかったり,地方に本社があったりすると,なかなか情報は入手しにくいものです。そういった企業に関しては,友人や教授からの情報が貴重となります。

Q18 どのような手段で「就職先に関する情報」を集めていますか。(三つまで)
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 続いて,アンケートではよく知らなかった企業を知るきっかけとなったのは何かについても尋ねました(Q19)。一番多かったのは「イベント・展示会・セミナー」で42.3%。実際にリアルなイベントに参加することで,通常の生活では接触できなかった企業との出会いが多くあるようです。次いで多かったのは,ホームページ(35.7%),友人(17.3%),教授(19.0%),テレビ(18.3%)の順番でした。

 上記三つの質問の選択肢の中には,「ツイッター」「SNS」といった,ネットでコミュニケーションを行える仕組みも加えました。ただし,いずれの場合も10%を超えるまでには至りません。重要な情報は,まだこのような場ではやり取りされていないのかもしれません。

 
Q19 よく知らなかった企業を知るきっかけとなったのはどれですか。(三つまで)
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