もし自分が技術者になったら,どういう人たちと一緒に仕事をすることになるのか――。技術者という進路を考えている学生の皆さんには,気になるところではないでしょうか。そこで,技術者とはどのような人たちなのか,Tech-On!読者に聞いてみました。

 今回は,「自分のことを“エンジニア”だと意識するのは,どのようなときですか」という質問に,自由記入形式で回答してもらいました。アンケート結果を見て驚いたのは,やや抽象的な質問で,しかも手間のかかる自由記入方式だったにもかかわらず,1053人中650人もの方々から回答が得られたことです。しかも,「意識しない」という回答はわずかで,ほとんどの回答者は「自分を技術者と意識するときがある」という結果になりました。

仕事で「技術者」を感じる

 多かったのは,仕事をしているときに意識するという回答です。もう少し細かく見ると,いくつかに分類することができます。

 まず目についたのは,「時間を忘れて実験結果を精査しているとき」「油まみれでネジを締めているとき」「仕事がつらいとこぼしながらも,ものづくりやプログラミングが佳境に入ると楽しくなってしまい,そのまま手がとまらなくなるとき」というような回答です。夢中になって,時間を忘れて手を動かし続ける。そんな技術者の姿が目に浮かんできます。

 次に目についたのは,「新しい課題に取り組みながら喜んでいることに気づいたとき」「製品の問題を解決していくとき」「技術的な課題に直面しているときに,自分で解決したいと感じるとき」といった回答です。「課題を解決すること」が好きな技術者は,驚くほどたくさんいることが分かりました。課題にぶちあたったときこそ,「自分の出番」と考える技術者は多いようです。中には,「難しい問題に直面し,なぜか嬉しくなったとき」「発生した問題に対応するときの,体の中からわき上がってくる高揚感を自覚したとき」という回答さえありました。

 また,論理的な考え方をするときに自分が技術者と感じる,という回答も数多く見られました。「現象を理詰めに説明,解析,解決できるとき」「サプライヤの説明に理論的な疑問を持ったとき」「顧客への説明に理詰めで対応できたとき」「ある測定によって出された数値を見たときに,目的に即した評価をしているか,測定方法は妥当か,などを疑うとき」といった回答です。

 このほかでは,好奇心についての回答が目につきました。例えば,「ショーなどで目新しい技術を見ると興味がわく」というような回答です。また,技術について職場の同僚などから頼りにされるときに,自分が技術者であることを意識する,という回答も多くありました。