仕事自体は楽しいけれど……

 次に,「入社して分かった自分の会社の問題点」について聞いてみました(Q2)。結果は,仕事上の人間関係や給与に関する回答が上位を占めました。仕事自体は楽しいけれども,周りの人と一緒に仕事をしていく上で会社に問題があると感じている技術者や,入社してから給与の低さに気づいたという技術者が多い,という結果になっています。

Q1 入社して分かった,自分の会社の問題点は何ですか(複数選択)
仕事上の人間関係や給与に関する回答が上位を占めた。回答数は1053。
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 最も多かったのは,「仕事に対して,他人事のように人任せな人が多い」の36.8%。2番目に多かったのは,「社内の風通しが悪い」の34.0%でした。仕事の規模が大きくなるほど,個人プレーで事足りることは限られてきます。そこで,何人かのチームで力を合わせて仕事を進めることになりますが,人任せな人がいると何事もやりにくいものです。また,社内の風通しが悪いと,ムダが増え,仕事の効率が下がりがちです。4番目に多かった「チームワークが悪い」(25.5%)という回答も,上位二つの回答と同様の問題をはらんでいるといえるでしょう。

 「給与が低い」という回答は,3番目に多い30.2%でした。技術者の実像に迫る本連載の第1回目では「給与には不満だが,仕事の面白さや醍醐味,やりがいはそれを大きく上回る」という結論になりましたが(Tech-On!関連記事),今回の調査結果もそれを裏付けるものと言えるでしょう。

 今回の回答で特徴的だったのは,「その他」を選択し,回答を記入してくれた人が2割近くに達したことです。自由記入の内容を見ると多種多様であり,会社によっても人によっても,問題点と感じるところは本当に様々であることが分かります。強いて言えば,もともとの選択肢が少なかったこともあり,自由記入には「会社組織」や「経営」に関する回答が多く目につきました。例えば,「親会社に頭が上がらない」「大企業病」「縦割りの弊害」「経営がなかなか決断できない」といった回答が比較的多く見受けられました。