Moray East洋上風力発電所の位置
Moray East洋上風力発電所の位置
(出所:関西電力)
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 日本生命保険相互会社は12月17日、英国イングランド地方で洋上風力発電プロジェクトを運営するFirebolt RB Holdingsに対し、2億英ポンド(約286億円)のシンジケートローンを実行したと発表した。同社は、シンジケートローンの組成段階から参加する。

 英国イングランド地方ノーフォーク州沖合の「Race Bank洋上風力発電所」で、定格出力573.3MW(6.3MW風車×91基)で2018年2月に竣工した。Fireboltとデンマークの大手電力会社Ørstedのグループ会社であるØrsted Powerが共同で運営する。なお、Fireboltには、住友商事が25%出資している。

 今回の融資は、洋上風力設備の安定運営のための資金を提供するもので、長期間にわたって高い利回りの獲得が期待できるという。国内生命保険会社によるプロジェクトファイナンスの取り組みとしては最大級の規模になるという。

 英国の洋上風力には、日本企業の参入が相次いでいる。関西電力は、英スコットランド沖合の「Moray East洋上風力発電所」の運営事業者に出資する三菱商事グループの英国法人Diamond Greenの株式30%を取得したと11月に発表した。関電にとって英国の洋上風力の2件目の参画案件で、海外事業における持ち分容量は合計280.7万kWになる。

 Moray Eastは、出力950MW(9.5MW風車×100基)で2022年に竣工予定。スペインの再生可能エネルギー事業会社EDP Renewablesが43.3%、Diamond Greenが33.4%、フランスの総合エネルギー企業ENGIEが23.3%を出資する。Diamond Greenの株式は、三菱商事が50%、関西電力が30%、三菱UFJリースが20%を所有する。

 このほかにも、英東海岸の北海洋上で計画される「Triton Knoll洋上風力発電所」の事業持株会社の株式について、電源開発(Jパワー)が25%、関電が16%を取得したと8月に発表。出力860MW(9.5MW×90基)で2021年に運転を開始する予定。また、Moray EastとTriton Knollの風力発電機は、三菱重工業とデンマークVestas Wind Systemsが折半出資するMHIヴェスタスが受注した(関連記事:MHIヴェスタス、9.5MWの風車を100基受注、英最大の洋上風力向け)。