太陽光発電協会(JPEA)は8月27日、使用済みの太陽光パネルのリサイクルなどの適正処理が可能な産業廃棄物中間処理会社の一覧表を作成し、公表した。

台風による水害で被災した太陽光パネルの例
台風による水害で被災した太陽光パネルの例
(出所:日経BP)

 使用済みの太陽光パネルの回収・適正処理・リサイクルシステムの構築については、総務省が、環境省と経済産業省に対して、法制度の整備も含めて検討することを勧告しており、両省は改善措置の状況を回答している(関連ニュース)。

 総務省は、全国に大量に設置された太陽光パネルが、将来、寿命を迎えたり発電所を撤去するといった理由で大量に廃棄されることを見込んで状況を調査した。そのなかで、現状でまとまった量のパネルが廃棄されている例となる、大雨や台風、大地震などによって被災したケースに着目した。調査の結果、適切に処理されていない例が見つかったことから両省に勧告した(関連コラム:太陽光パネルの廃棄で不適切な例、総務省が改善を勧告太陽光パネルメーカーが開示を拒む例も、廃棄の適正化へ総務省が勧告)。

 JPEAは今回、太陽光パネルのリサイクルなどの適正処理に対応できる企業の一覧を公開した理由として、二つの現状を挙げている。

 (1)太陽光パネルのリサイクルで必要となる、「廃プラスチック類」、「金属くず」、「ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず」の3品目揃って処理の許可を取得している企業が少ないこと、(2)発電事業者や太陽光パネルの撤去・廃棄に関わる企業は、リサイクルなどの適正処理が可能な企業に委託する必要があるが、適正処理が可能な企業をインターネットの検索などによって探すことが現状では難しいこと、を挙げている。

 JPEAが一覧に掲載したのは、「標準処理方法において自己宣言したリサイクル率が一定程度あり」、かつ、JPEAが作成する一覧表への掲載を希望した企業としている。一覧表を活用する際には、あくまで参考情報の一つと位置づけ、自己責任で必要な情報を入手するなどして依頼するかどうかを判断してほしいとしている。

 一覧表については、2018年7月の西日本豪雨の後、被災した太陽光パネルの円滑な処理に寄与する狙いから、被災地域近辺の廃棄物中間処理会社の一覧を作成し、JPEAのweb上に掲載した。今回の一覧表は、その全国拡大版と位置付けている。

 一覧表には、まず太陽光パネルのリサイクルなどの適正処理が可能な企業として17社とその拠点が掲載されている。

 北から順に、マテック 石狩支店(北海道石狩市)、青南商事(青森県弘前市)、環境保全サービス(岩手県奥州市)、環境開発公社エムシーエム(宮城県大崎市)、日曹金属化学(東京都台東区)の福島県の拠点、水海道産業(茨城県常総市)、浜田(東京都港区)、東芝環境ソリューション(横浜市)、エコネコル(静岡県富士宮市)、ハリタ金属(富山県高岡市)、リサイクルテック・ジャパン(名古屋市)、浜田(大阪府高槻市)、平林金属(岡山市)、スナダ(広島県東広島市)、金城産業(松山市)、リサイクルテック(北九州市)、九州北清(宮崎県小林市)となっている。

 このほか、リサイクル率が80%以上であると自己宣言した業者を紹介しようとする団体・企業として、4つの団体・企業が紹介されている。廃ガラスリサイクル事業協同組合(岩手県奥州市)、ガラス再資源化協議会(東京都港区)、啓愛社(東京都千代田区)、PVテクノサイクル(東京都大田区)である。