新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は8月23日、風力発電設備の稼働率向上に向けたデータベースシステムの開発に着手したと発表した。
風車のダウンタイム(運転停止時間)と運転維持コストを低減し、風車の稼働率を現状の87%から97%以上に向上させることを目指す。
具体的には、CMS(Condition Monitoring System)による風車の運用データや故障・事故情報を収集・蓄積するデータベースを構築し、人工知能(AI)を用いた故障の事前予知の情報や、過去事例を分析して故障・事故からの早期復旧に関する情報などを提供するアプリケーションを組み込む。
設計後、事業性が高いと評価された場合、実際にデータベースシステムを構築・運用する予定。
国内で稼働中の風力発電設備は、約7割が海外メーカー製で、故障した場合に代替部品を取り寄せるのに時間がかかるなど、欧米諸国と比較して故障発生時のダウンタイムが長くなる傾向があるという。
事業名は「風力発電等技術研究開発/風力発電高度実用化研究開発/風車運用高度化技術研究開発」。事業予算は4億円、事業期間は2020年度まで。委託先は、風力エネルギー研究所(東京都港区)、東京大学、産業技術総合研究所(産総研)、中部大学の予定。