DIC館林工場の太陽光発電設備
DIC館林工場の太陽光発電設備
(出所:三菱電機)
[画像のクリックで拡大表示]

 三菱電機は3月26日、DICの5事業所に合計出力約1.5MWの自家消費用太陽光発電設備を納入したと発表した。三菱電機が計画段階から設計・施工までワンストップで提供し、運営・保守も担当する。

 三菱電機製の太陽光パネルのほか、同社独自のエネルギー管理システム「SMART-RiCO」により、消費電力量に合わせてパワーコンディショナー(PCS)の出力を制御して逆潮流を抑えることで設置容量を増やし、トータルでの自家消費量を最大化した。

 太陽光発電設備を導入したのは、千葉工場(千葉県市原市)、四日市工場(三重県四日市市)、埼玉工場(埼玉県伊奈町)、館林工場(群馬県館林市)、総合研究所(千葉県佐倉市)の5事業所。設置場所の規模に応じたパネルの配置と、地盤など設置環境に応じた設置工法を採用し、発電効率の向上と安定運用を実現したという。

 太陽光パネルは、セル(発電素子)内で発生する電子の不活性化を抑えるPERC (Passivated Emitter and Rear Cell:裏面不動態式セル)構造と、セル内の抵抗損失を減らすSE (Selective Emitter)構造により出力300W/枚の高効率型を採用した。

 最大の導入規模となったのは館林工場で、遊休地に出力1.2726MW分の太陽光パネルを設置した。PCSは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製で、定格出力は1.25MW、使用条件に合わせた特別な仕様を採用したという。年間発電量は130万8704kWhを見込む。

 千葉工場では、出力105.3kW分の太陽光パネルを折板屋根に設置し、PCSの定格出力は100kW。年間発電量は10万3961kWhを見込む。

 四日市工場では、出力21.6kW分の太陽光パネルを屋上に設置し、PCSの定格出力は20kW。年間発電量は2万3781kWhを見込む。

 埼玉工場では、出力35.1kW分の太陽光パネルを折板屋根に設置し、PCSの定格出力は30kW。年間発電量は3万35389kWhを見込む。

 総合研究所では、出力43.2kW分の太陽光パネルを折板屋根に設置し、PCSの定格出力は40kW。年間発電量は4万3401kWhを見込む。

 5事業所合計で年間877.4tのCO2削減効果を見込んでいる。

 DICグループでは、温室効果ガスの排出量を2030年までに2013年比で30%削減するという中期目標を掲げており、目標達成に向けた活動のひとつとして再エネ設備の導入を進めている。2018年1月には、三菱電機がDIC鹿島工場(茨城県神栖市)に1.6MWの太陽光発電設備を納入している。

 鹿島工場では、太陽光発電のほかにもバイオマス発電やメタンガスボイラー、風力発電設備など、複数の再エネを導入し、消費電力の50%と消費熱量の80%を再エネで賄い年間3万5000t以上のCO2を削減している。同工場での再エネ利用率の高さが評価され、2018年12月に一般財団法人・新エネルギー財団が主催する「平成30年度新エネ大賞」において「新エネルギー財団会長賞・導入活動部門」を受賞した(関連記事:国内最大級の「自家消費型メガソーラー」、風力と併設)。