調査会社の米Strategy Analytics,Inc.は,携帯端末向けアプリケーション市場において,2008年に米Apple Inc.のiPhone/iPod touch用アプリケーションのオンライン店舗「App Store」の販売量が12%のシェアを占めたと発表した(発表資料)。ただし,開発者の間での価格引き下げ競争の激化によって,App Storeで販売されるアプリケーションの価格は大幅に落ち込んできているという。

 Strategy Analytics社によれば,開発者と売り上げを分け合うApp Storeの手法は,アプリケーション市場を沸かせ,技術革新を促進したという。これによって,App Storeのアプリケーションのダウンロード量は先例がないほど増加した。しかし,多くの開発者がApp Storeにアプリケーションを提供したため,開発者間の競争が激化し,多くのアプリケーションは無料か,非常に低価格なものとなった。

 Apple社の成功を受けて,Apple社以外の携帯電話機メーカーも,アプリケーション販売用の自社のオンライン店舗を開始した。また,これまで携帯端末用アプリケーションの販売を担っていた携帯電話事業者も手法を変え,アプリケーション開発者にとって魅力的な存在になろうとしているという。「Apple社は,最初の戦いには勝利したが,まだ戦争は終わっていない」とStrategy Analytics社は指摘する。