TOTOは,温水洗浄便座一体型便器「Z」シリーズのうち,1999年3月~2001年12月に製造した一部製品で発煙・発火事故が合計29件発生していたことを公表した(発表資料)。原因は,製品内部の接続部における接触不良という。事故の内訳は,発火し外装部品の変形や一部焼損に至った事例が3件,発煙事例が26件。同様の事故が起こりうるとする約18万台について,現在無料で修理・点検を行っている。また,イナックス(INAX)の温水洗浄便座製品でも,1985~2000年に類似の事故が8件起きていた。
TOTO製温水洗浄便座一体型便器Zシリーズで最初に発火事故が起こったのは,2006年3月9日。外装部品の一部から発煙・発火した。だが,この時は原因を特定できず調査を継続したとしている。この約1年後の2007年3月1日と同20日,最初の事故と同様の事故が発生。これまでの調査により,製品内部の一部接続部分で発生した接触不良が原因と特定して,点検・修理の検討を開始したと説明している。
原因となる接触不良は,まれにコントローラの発火を引き起こす。全29件の事故を調査したところ,特定の時期に生産されたコントローラ基板と温水ヒータ用コネクタ接続部端子で,めっきの密着性が悪いことが分かった。これを搭載した製品を使用し続けると,めっきが剥がれて接続部が発熱する。その後,コントローラ基板の100V回路ではんだクラックが誘発されて,トラッキング現象が起きたとみている。TOTOは,温水ヒータ用コネクタを変更したコントローラと熱交換器へ部品交換を行っており,点検・修理が終わるまでは通電しないように呼びかけている。上記と同様の不具合が起きる可能性がある温水洗浄便座一体型便器は,下表の通り。
なお,INAXも,同社製温水洗浄便座で,1985~2005年までに発煙・発火事故が8件起きていたことを認めている。最初の発火事故は,尿の浸入により接触不良が起き電線と基板を接続するコネクタ部から発火したもの。これについては,原因が特定できたとして社告を出し,当時無償修理を行っている。残り7件の発煙・発火事故については,各事故がそれぞれ別の機種で起きており,製品または部品の特定の製造ラインやロットと関連付けられず,構造上の問題も認められなかったとする。当該の各機種は合計で約1000万台を出荷していた。各件について監督官庁などには届け出ていたが,使用状況も関係したごく特殊な事例であるとして,これまで消費者向けの社告などは行っていない。
TOTOの無償点検対象製品(表1の製品番号 のうち,表2の製造番号であるもの)
表1:製品番号
シリーズ名 | 製品番号 | |
---|---|---|
Zシリーズ | TCF975*** | TCF970*** |
TCF965*** | TCF960*** | |
TCF945*** | TCF940*** | |
TCF910*** |
表2:対象製造番号
4S93******** | 4S9Z******** | 4S09******** | 4S16******** |
4S94******** | 4S01******** | 4S0X******** | 4S17******** |
4S95******** | 4S02******** | 4S0Y******** | 4S18******** |
4S96******** | 4S03******** | 4S0Z******** | 4S19******** |
4S97******** | 4S04******** | 4S11******** | 4S1X******** |
4S98******** | 4S05******** | 4S12******** | 4S1Y******** |
4S99******** | 4S06******** | 4S13******** | 4S1Z******** |
4S9X******** | 4S07******** | 4S14******** | |
4S9Y******** | 4S08******** | 4S15******** |
TOTOの温水洗浄便座一体型便器「Z」シリーズ無償点検についての問い合わせ先
電話での問い合わせ先 フリーダイヤル(無料):0120-10-7296
携帯電話機・PHSからも利用可能。
受付時間:午前9時~午後6時(平日,土日祝とも)。
FAXでの問い合わせ先 フリーダイヤル(無料):0120-44-0092
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