東芝が、半導体事業で新戦略を打ち出した。世界シェア・トップをうかがうNANDフラッシュ・メモリ事業の競争力を、他の半導体事業にも生かす考えだ。具体的には、ディスクリート半導体事業、旧システムLSI事業から分離したアナログ・イメージングIC事業、HDD事業との統合を図ったストレージ・プロダクト事業のそれぞれについて、メモリ事業で培った製造技術力を生かしていく。これにより、メモリ事業に続く柱を育てる方針である。同社 執行役上席常務 セミコンダクター&ストレージ社 社長の小林清志氏が、2011年8月に明らかにした。
四日市の200mmラインを転用
ディスクリート半導体事業では、社会インフラや車載用途で大きな需要が見込めるパワー・デバイスに注力する。パワー・デバイスにおける東芝の世界シェアは現在3位だが、「独自のデバイス技術や大口径の生産技術を強みに、数年以内に業界首位を目指す」(小林氏)という。
カギを握るのが、NANDフラッシュ・メモリの生産拠点である四日市工場の200mmラインだ。この製造設備をパワー・デバイスの拠点である加賀工場に転用し始めている。